取組を前に気合を入れる琴奨菊 (c)朝日新聞社
取組を前に気合を入れる琴奨菊 (c)朝日新聞社

 大相撲の初場所は大関・琴奨菊(31)の大活躍で、大いに盛り上がった。初日から12連勝し、3横綱に3連勝した10~12日目が圧巻だった琴奨菊。千秋楽で日本出身力士の10年ぶりの優勝を果たした。ベテラン大関の快進撃の理由は何だったのか?

「昨年7月に結婚し、この初場所後に披露宴を控えている祐未夫人の存在が大きいのではないか」というのはベテラン記者だ。フードマイスターの資格を取り、栄養面を考えてくれるという祐未夫人。10日目に横綱・鶴竜を破ったとき、師匠の佐渡ケ嶽親方(元・琴ノ若)は「(結婚直後の名古屋場所は8勝7敗で、カド番脱出が精いっぱいだったため)負ければ嫁のことも言われる。そういう思いをさせたくないというのがあるんじゃないか」と言っていた。前出のベテラン記者は言う。

「琴奨菊には以前、婚約破棄があったでしょ。祐未夫人は、そういうことで精神的なダメージを受けていた大関の支えになってくれているようです」

 11日目に、それまで50回戦って4回しか勝っていなかった白鵬を押し出し、今年になって負けなしの11連勝とした琴奨菊。この一番を迎えるにあたり、こう考えたという。

「熱くなりすぎずに、やれることをやろう。やるべきことがやれれば、勝ち負けじゃない」

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