「日本は世界一格差のない国」 景気好転には格差必要? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「日本は世界一格差のない国」 景気好転には格差必要?

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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カルロス・ゴーン氏の報酬は10億3500万円 (c)朝日新聞社

カルロス・ゴーン氏の報酬は10億3500万円 (c)朝日新聞社

 広がる格差問題が叫ばれる日本。しかし、伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏は「過度の結果平等は働く意欲を削ぎ国力を落とす」とその風潮に疑問を呈する。

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 昨年、このコラムに中学の水泳部の部活動で汚いプールの水を飲んでいたおかげでインド赴任中にもおなかを壊さなかったカユミ君のことを書いた。それを読んだカユミ君からメールが来た。

「当時は、貴兄同様に痩せていましたから、デブのA君、S君たちが羨ましかったですね……。懐かしい時代です」

 たしかに、水温が10度の4月から泳がされていたから、私やカユミ君のようなヤセ組はつらかった。

「本当に懐かしい時代ですね。当時は、私だけが正三角形で、他の部員は皆、逆三角形だと思っていましたが、今や、全員が、円錐形ですね。経路は違っても行き着くところは皆同じです」

 と返信しておいた。

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 昔、中国、ロシアなどの共産主義国家は、“結果”平等社会を目指していた。一方、資本主義国家は“機会”平等社会の実現を目指していた。ところが最近では両者とも格差が大きな問題になってきている。経路は違っても格差の顕在化という結果は同じだったのだ。

 皮肉なのは、「格差是正」という共産革命を、現在“より必要”としているのは、ロシアや中国など「かつての共産主義国家だ」という点だ。仏経済紙レゼコーによると、中国は「世界の富豪生産地」になったそうだ。富豪と内陸農村部住民との格差はかなりのものだ。

 日本でも格差是正が騒がれているが、私の部下だったモルガン銀行勤務の外国人はかならずや「日本は世界一格差のない国だ」と言いながら帰国したものだ。褒め言葉ではない。活力を失った日本経済を揶揄(やゆ)する言葉だ。過度の結果平等は働く意欲を削ぎ国力を落とす。


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