新世代の「カリスマ」奥田氏がどこへ行くのか (c)朝日新聞社
新世代の「カリスマ」奥田氏がどこへ行くのか (c)朝日新聞社

 安保法制をめぐる反対運動の輪の中心にいた学生団体のSEALDs(シールズ)。

 中心メンバーの奥田愛基氏(23)らは12月、学者や弁護士とともに政策提言を行うシンクタンク「ReDEMOS(リデモス)」を設立した。加えて、野党共闘を目指す「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」にも参加するなど、2016年夏に解散するシールズ後を見据えた足固めを着々と進める。

 キーマンの奥田氏は現在、明治学院大国際学部の4年生。卒論テーマに選んだという2大政党制について本誌にこう語った。

「日本が1994年に小選挙区制導入を決めたときには、これで2大政党制になるという前提があったはず。なのに、実際は自民党の一強多弱体制になってしまった。これでは制度が機能していると言えない」

 いまの政治のひずみは、政治理念が置き去りにされた選挙制度改革の結果との指摘だ。

「本来2大政党制か穏健な多党制が機能すれば、現実的な政策がとられて突飛なことは起こらない。しかし、いまの日本ではいろんな政党が次々に生まれ、しかも右傾化が止まらないなかで自民がこれまでやったことのないような制度改革を進めている。これでは穏健どころではありません」

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