山ブドウのスパークリング 11年寝かせた発泡酒の味とは 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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山ブドウのスパークリング 11年寝かせた発泡酒の味とは

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週刊朝日
山ブドウ特有の甘酸っぱい香り(※イメージ)

山ブドウ特有の甘酸っぱい香り(※イメージ)

 フード&ワインジャーナリストの鹿取(かとり)みゆきさんが、日本ワインを紹介する。今回は、岩手県葛巻町の「ヴィレ ヤマブドウ スパークリング 2002(赤)」。

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 青森・岩手・宮城にまたがる北上山地。山麓に位置する葛巻町は酪農が盛んな土地だ。しかし寒さは厳しく、作物はなかなか育たない。そこで地域の特産物をつくりたいと当時の町長、高橋吟太郎氏が注目したのが、山中に実る山ブドウ。これを原料にしたワイン造りを目指し、1986年に第三セクターの「くずまきワイン」が誕生した。

「ヴィレ」は、ワイナリー最高峰のワインだ。醸造責任者は大久保圭祐さん。葛巻町と同じ冷涼な地域にある、独国のガイゼンハイム大学で発泡酒造りを学んだ。帰国後、最初に挑戦したのが、山ブドウでの発泡酒造りだった。大久保さんは、瓶の中で2度目の発酵をさせた後、ワインを11年も寝かせる。一般的な日本の発泡酒だと1年だ。長い年月を経て生まれた泡の滑らかさはムースのよう。口に含むと、山ブドウ特有の甘酸っぱい香りと味わいで満たされる。ヴィレは、独語で「意志」を意味する。この北国で、ワイン造りを続けていこうという大久保さんの気概が伝わってくる。

(監修・文/鹿取みゆき)

週刊朝日 2016年1月1-8日号


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