「私なら、株購入のおまけにハガキでも付けたらと提案する。ハガキは印刷費だけなので(笑)。今回の上場で個人投資家が新たに50万~60万人誕生するといわれており、やはり市場に与える影響は大きい。新規の個人投資家たちが成功体験を得れば、さらに投資に前向きになるだろう」

 では、年末あるいは年度末にかけて、株価はどうなるのか。取材をまとめると、外部環境が落ち着けば、堅調な企業業績を背景に日経平均は再び上昇するとの見方が多い。

 10月以降の日経平均は上昇に向かうと話すのは藤本氏。年末にかけて2万円を回復して、6月に付けた高値水準(2万952円)もあり得るとの見方だ。

 上場企業の第2四半期(7~9月)決算は11月半ばに発表される。第1四半期(4~6月)の経常利益は2桁増益で良かったが、

「良い会社でも『4分の1しか終わっていないので先行きはわからない』と上方修正しなかった。7~9月が終われば、中国問題があっても『下期も何とかなる』という会社は上方修正してくる」(藤本氏)

 楽天証券経済研究所長の窪田真之氏も年末にかけて2万円近くまで戻すと見る。

「日経平均が急落しているときに外国人が1兆円以上売り、個人投資家が1兆円以上買っている。世界経済の不安からの外国人売りが止まれば、日経平均は急反発する。来年になれば、日経平均の上昇も加速するだろうが、年内は中国と米利上げへの不安が続くので、急落と急騰を繰り返すのではないか。来年3月には2万2千円まで回復もあり得る」

 小川氏は1万9千円台まで回復すると予想し、「売られすぎた反動があり、1万9500円から1万7500円の幅で動くのでは。2万円まで回復するにはもう少し時間がかかると思う」と語る。

週刊朝日 2015年10月9日号より抜粋