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 米軍基地問題をネタにしたコント「お笑い米軍基地」の新作公演を6月に開催した演芸集団FEC。今年で11回目を数え、那覇、沖縄、名護の各市の順で行われた。公演を終えたばかりの主宰者、小波津正光(こはつ・まさみつ)さんに、ジャーナリストの亀井洋志が話を聞いた。

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 定番のコントとなっている「子ども電話相談室」というのがあります。相談者はあくまで架空ですが、今回はアベ首相、沖縄のスーパーのサンエー、ドローンが出てきます。名護公演は6月27日でしたが、前日に“百田発言”が報じられました。百田尚樹さんの発言は芸人目線から言うと、すごくおいしいネタなんです。新鮮なうちに絶対イジらなきゃいけない。急遽、コントに登場させることにしました。ヅラも当日、スタッフに買いに行かせました(笑)。百田さんに似た人物が「どうしたら沖縄の新聞2社を潰せるかなあ思いましてな!」と質問するのですが、もちろん名護公演だけのサプライズです。

 笑いと怒りは表裏一体なのですが、俺が東京で芸人活動していた時、沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落する事故が起きました。04年8月13日で、奇しくもアテネオリンピックの開会式と重なったのです。

 俺、東京でも沖縄の新聞を取っていたんですが、沖縄紙は戦場さながらの大騒ぎなのに、全国紙の1面は「平和の祭典」です。このギャップは、もうギャグじゃないですか。漫才で両方の新聞並べて東京のお客さんに説教したら、大爆笑、大ウケした。こっちは半ば本気で怒りながら演っていたんですが、この体験が「お笑い米軍基地」の原点になったわけです。

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