八重山民謡歌手・大工哲弘「『琉球語を日本語で歌うのか』 昔も差別。独立機運ある」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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八重山民謡歌手・大工哲弘「『琉球語を日本語で歌うのか』 昔も差別。独立機運ある」

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 私たち沖縄の民謡歌手が昔、東京でコンサートを開いた時のことです。宿泊先だった旅館でこれ見よがしに「今後、沖縄の人お断り」という貼り紙をされたことがありました。ルポライターの竹中労さんが主催した「琉球フェスティバル」が、74年に初めて開催された時のことなのですがね。嘉手苅林昌(かでかるりんしょう)、照屋林助、知名定男、国吉源次らとともにツアーを組みました。日比谷野外音楽堂での公演前に記者会見がありました。「みなさんは琉球語で歌っていますが、東京では日本語にして歌うんですか?」などという質問を受けて閉口しました。先輩格の金城睦松(ぼくしょう)さんが見事に返しましたね。「あなたたちはビートルズにもそんなことを聞くんですか?」って。

 本土復帰したら、日本国憲法に守られるのが一番だと感じていました。毎日のように米兵による事件・事故が頻発し、沖縄の自治権は奪われていました。しかし、復帰しても米軍基地は集中したまま、何も変わらない。サンフランシスコ講和条約が発効した52年4月28日は、沖縄が日本から切り離された「屈辱の日」です。安倍政権は日本が独立した「主権回復の日」として定め、式典で万歳三唱しました。隣が葬式しているすぐ横で、お祝い事をしているようなものです。わざわざ県民の反発を買うようなことをすれば、独立とか自治の機運はだんだんと広がっていきますよね。

 今年5月13日、「『沖縄建白書』を実現し未来を拓くオール沖縄 那覇の会」が結成され、私も共同代表の一人になりました。市民集会で自作の琉歌を披露したところ、参加者の方々に大変喜んでもらえました。

♪戦世(いくさゆ)ゆ招(まに)く 新基地や 止(とぅ)みてぃ かなし子孫(くわんまが)に ちとぅゆ残(ぬく)さ~

 基地は戦争を招くもの、辺野古新基地を阻止し、かわいい子や孫のために沖縄のすばらしい遺産をお土産として残したいですね。

週刊朝日 2015年7月24日号


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