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 本土復帰運動時の労働運動歌「沖縄を返せ」を1994年にリバイバルした大工哲弘(だいく・てつひろ)さん。「沖縄へ返せ」と1字だけ歌い替えたことで、沖縄の自己決定権を象徴する歌として甦った。今も反基地運動の場などで歌い継がれているが、大工さんの思いをジャーナリストの亀井洋志が聞いた。

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 全国の市民団体や労働組合に呼ばれて「沖縄を返せ」を歌っているうちに、すでに復帰もしているし、もっと沖縄の未来に向けて明るいイメージにしたかったのです。いまだ返還されていない米軍基地の土地も考えれば、歌の意味がより鮮明になった気がしました。

 しかし、辺野古の新基地建設が「唯一の解決策」と言い募る政府の対応に、歌に込めた願いが破られ続けています。このご時世を琉歌で詠んでみます。

♪鹿ん馬なしゅる ご時世ゆやてぃむ あまりどぅくみしょな 今(なま)ぬ御代(きみ)に~

 鹿を馬だと偽っても、そのうちに嘘はわかります。エリート政治家たちは理屈に合わないことを押し通そうとしています。安倍首相は辺野古の海の埋め立てを強引に進めようとしながら、一方で中国の南沙諸島の埋め立てを非難している。あまりにも不合理です。

 沖縄はずっと差別と偏見の目で見られてきましたから、百田尚樹氏や自民党若手議員の暴言など、いまさら何とも思いません。

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