「十数年前は関西ではほとんど見ることはありませんでしたし、僕もちょっと違うな、と思っていました。関西では日清の『U.F.O.』が人気ですから。でも、だんだんおいしいな、と思い始めまして」

 日清食品の牙城が崩れる日は近いのか。と思いきや、食品業界関係者は首を振る。

「日清だけでなく、地元に根付いた商品は強いですからね。そう簡単にペヤングが全国的な人気を得ることはないでしょう」

 ライバルはまだいる。東北・信越では「焼そばバゴォーン」(東洋水産)、関西では「一平ちゃん 夜店の焼そば」(明星食品)の人気も高い。北海道で圧倒的な人気を誇る「やきそば弁当」(東洋水産)は、ペヤングが販売停止している時期に関東での人気を高めたといわれる。

 さながら、カップ焼きそばの国盗り合戦。だが、その勝者が決まるのは、まだ先になりそうだ。

(本誌取材班=一原知之、上田耕司、小泉耕平、長倉克枝、永野原梨香、牧野めぐみ、山岡三恵/今西憲之 菅野朋子)

週刊朝日 2015年6月26日号