自分たちがどんな酷い目に遭っても、喜んでもらえるなら何でもする。それがエンターテインメントの本分だと考えていると同時に、現役を引退してしまった“おっさん”たちを焚き付けたいという思いもある。

「無計画に、行き当たりばったりで来たけれど、俺がここまで生き残ってこられたのは、嫉妬心が人一倍強かったからじゃないのかな。他のヤツが何か面白いことをやってたら、『チキショー、俺だって』ってすぐ思うしね(笑)。年を取って丸くなって、ただ相手を尊敬していてもダメですよ。常に自分に勝っていかないと。ロックフェスなんかに出ると、若いヤツが、『ジジイ、勝負してやる』って感じで、ギラギラしてるからすごく刺激的ですよ。そういうヤツらと、いつまでも張り合っていたいね」

 団塊の世代。食べ物のない時代から飽和の時代までを網羅し、技術面でも、アナログからデジタルまでの変化を経験してきた。

「だからといって自分が新しくなったかというと全然そんなことはなくて。イタズラ好きのガキのまま。全然成長してない(笑)。結局、男はね、いつまでも暴れたいんです。周りも、『年だから何もしないでいいよ』なんて老人をただ大事にしてるだけじゃダメ! 俺も、このドラマを見て、『泉谷と勝負してやる!』って思うおっさんが現れるぐらい、嫉妬させていきたい。実際、今は自警団ブームらしいし、(共演の北大路)欣也さんや志賀(廣太郎)さんとも、『いずれ“三百匹のおっさん”になれば面白いね』なんて話してます」

週刊朝日 2015年5月29日号