「1年生の英語の授業はすべて英語で行います。一般入試で入学する生徒は英語に自信がありますから、入学当初、いちばん下のクラスに入るとショックを受ける場合もありますね」(中山順一教頭)

 同校は文部科学省が全国112高校を指定したスーパーグローバルハイスクール(SGH)にも選ばれ、国から委託費が支援されているが、その申請時の構想は「帰国生と国内生の相互理解教育に基づくグローバルリーダー育成」だった。SGHでは昨年度、オーストラリアでの学校体験や、ハワイや中国での外国人生徒らとの交流、米国スタンフォード大学での研修などをした。帰国生徒教育センター長を務める原かおり教頭は、SGHの活動を振り返る。

「スワヒリ語やアラビア語など20カ国語で聖書を読む『ペンテコステ礼拝』や各国の料理や音楽、踊りなどを楽しむ『インターナショナルデー』など、もともと生徒たちはさまざまな行事を実施していましたが、生徒たちの背景が国際的なだけに海外に向かって発信することは少なかった。SGHの活動で海外に出ていき、さまざまなプログラムに参加し、報告して共有したことは生徒たちのよい経験になったようです」

 系列の国際基督教大へは、一般入試の合格者は9人だが、指定校推薦や帰国生入試を合わせると毎年80人ほどが入学しているという。

「本校からは早慶上智など国際関係の学部に進む生徒が多いですが、医学部をはじめとした理系の大学・学部にも毎年卒業生の3分の1から4分の1が進学しています。海外大へも帰国生、国内生合わせて10人前後。芸術系の学部、東大など難関国立大に進む生徒も少なくありません」(中山教頭)

◇グローバル5大学合格者数トップ30
 学校名(所在地)/合格者数合計/早稲田大国際教養/上智大国際教養/国際教養大/国際基督教大/立命館アジア太平洋大
1 ○国際基督教大(東京)/35/4/21/―/9/1
2 ○女子学院(東京)/26/17/―/―/9/―
3 ○鷗友学園女子(東京)/23/9/―/1/12/1
4 ○渋谷教育学園渋谷(東京)/22/9/―/1/7/5
5  国際(東京)/20/1/11/3 /4/1
6  千葉・県立(千葉)/19/11 /―/1/7/―
  ◇東京学芸大附(東京)/19/13/―/1/5/―
   湘南(神奈川)/19/12/―/3/4/―
9 ○渋谷教育学園幕張(千葉)/17/9/1/―/7/―
10 日比谷(東京)/15/10/―/3/―/2
  ○麻布(東京)/15/11/―/1/3/―
  ○開成(東京)/15/10/―/1/3/1

各大学が公表した合格者数を掲載した。ただし、国際基督教大は3人以上の合格者のあった高校のみ。推薦入試などの合格者を含んでいないことがある。
◇=国立、○=私立、無印は公立を表す。協力・大学通信

13位から30位までは本誌で。

(庄村敦子)

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋