JA全中の萬歳(ばんざい)章会長(69)(撮影/写真部・加藤夏子)
JA全中の萬歳(ばんざい)章会長(69)(撮影/写真部・加藤夏子)

 9日に開かれたJA全中(全国農業協同組合中央会)理事会で、萬歳(ばんざい)章会長が、任期途中での退任を表明した。「農協の解体と組織内部の分断」を目的とした農協法の改正案が閣議決定したことで、責任を果たすためだ。しかし、萬歳会長は政治家に対する今後の不安を述べる。

――かつては農協の最大の理解者だった自民党の国会議員の間でも、最近では農協を批判する議員が増えた。背景には、世襲議員に代表されるように、地方選出でも都市部で育った政治家が増えたからだとの意見もある。萬歳会長が、政権や自民党国会議員と意見交換をするなかで受けた印象とは。

萬歳会長(以下・萬歳):私は根っからの百姓で、自分の思いを伝えるので精いっぱい。それでも、現場を理解している先生は自民党にたくさんいらっしゃいます。

 ただ、農業の現場や実態を知らない議員も結構いるんだなと。農業は実学です。現場を知らずして、農政を語ることはできません。農家の方々が現場でかいている汗を見ることが大事なのではないでしょうか。

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