「昨年までは、外国人投資家にも注目されやすいトヨタなどの『大型株』が盛んに買われました。しかし、これからはもっと小さい『中小型株』で、業績が伸びている企業に矛先が向けられる展開になると考えています」

 では、どういった企業が伸びているのか。 

 藤本さんがまず注目するのはコメ兵だ。名古屋や東京などでブランド品の買い取り・中古販売を手掛ける企業だが、なぜ注目なのか。

「インバウンド(外国人の訪日旅行)特需が波及しているんです。新品のブランド品は円安の影響で割高感が強い。正規の販売店と値段を見比べて、コメ兵で中古品を買うというパターンが増えています」(藤本さん)

 実際、これまで外国人客が売上高に占める割合は10%程度だったが、現在はほぼ倍増しているというから驚きだ。

 インバウンド旋風はホビーの世界にまで押し寄せているようだ。追い風を受けるのがシュッピン。カメラや時計、万年筆など、男性が好みそうなグッズを実店舗やサイトで販売している会社だ。買い取りも行っている。

「デジカメや時計は訪日外国人の間で人気が高い。基本的に買い取り価格を固定しているので、いくらで引き取ってもらえるかが事前にわかるため新製品への買い替え意欲も刺激されやすい。心憎い配慮で商売がうまい」(同)

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