神奈川県川崎市の河川敷で中学1年生の上村(うえむら)遼太君(13)の全裸遺体が見つかった。

 上村君の死亡推定時刻は2月20日午前2時頃──。

 十数時間後の同日夕刻、不良グループの“たまり場”だった川崎市内の大師公園で、主犯格とみられる少年A(18)の姿が目撃されていた。A宅の近所の男性がこう語る。

「Aらしき男が、自分より年下の子供たち8人くらいと集まって“謀議”のようなことをしていた。そのうち、一人が近くに止まっているバイクや自転車にものを投げ出して、荒れている感じ。Aは普段から異様な雰囲気を身にまとっていたので危険を感じて近づかなかったけど、今考えると逃げる方法でも考えていたんじゃないのか」

 実際、犯行後の“隠蔽工作”は着々と進行していていたようだ。Aと、一緒に逮捕されたB(17)、C(17)の3人は携帯電話の無料通信アプリ「LINE」を使って頻繁にやり取りをしており、これが逮捕の決め手となったようだ。捜査関係者がこう語る。

「3人には逮捕前に直接、間接に事情を聴いていたが、『あの日は、上村君と途中で別れたから知らない』などとシラを切っていた。だが、LINEの通信記録に犯行を示唆するやり取りが多数残っており、『あの日は会ってないことにしよう』とか、『警察はしらばっくれたらごまかせる』と、隠蔽の口裏合わせもしていたようだ。遠くの知人に助けを求めた形跡もあった」

 捜査本部によると、3人は事件直前、一緒に川崎市内でビール、チューハイなどを飲酒。上村君を河川敷に連れていく姿は周囲の防犯カメラにとらえられており、上村君との交友関係や過去の非行歴などから、3人の名前は早い段階で捜査線上に浮上していた。

(本誌取材班=小泉耕平、上田耕司、牧野めぐみ、福田雄一、小倉宏弥/今西憲之)

週刊朝日 2015年3月13日号より抜粋