「赤タレ」「子役」の明確な定義はなく、3~4歳から小学生までが「子役」とされる。売れっこ子役は「赤タレ」出身が多い。数々のCMやドラマで活躍中の石井萌々果ちゃんは0歳から、ドラマ「とんび」で注目された五十嵐陽向くんは1歳から活動中だ。
「石井萌々果は、0歳のときから目が大きくて際だって可愛かった。生まれながらの勝ち組ですね」(セントラル子供タレントの合羽井[かっぱい]一尋マネジャー)
一方、五十嵐陽向くんは、最初から全く人見知りしない、デキる子。「とんび」では4~5歳児を探していて、3歳の陽向くんはムリだろうと言われたが、楽々とこなしてみせた。
それにしても不思議なのは、今の子役はみんな演技が達者なこと。昔は「えーんえーん」と記号的に泣いていたのに、いきなりポロッと涙をこぼしたり、嗚咽したりと、大人顔負けのリアルな演技をする。これにはレッスンがある。
「まず、『感情の作り方』を学びます。泣く演技では、『自分はどういうときに悲しいか』と考えさせる。たいてい『宝物がなくなったとき』とか『ペットが死んだとき』なんですけどね」(合羽井さん)
視聴者の目も肥えてきているという。
「よりリアルな演技が求められるんですよね。子役もわざとらしいと引かれてしまう。昔と大きく違うのは、子役も役名でなく、本人の名前で覚えられるようになったこと。視聴者の見方が変わってきて、子役も一役者として見る土壌ができたんでしょう」
と合羽井さんはいう。
大橋のぞみちゃんは小学校卒業と同時に、「学業に専念」という理由で芸能界を引退した。同様に「小学校&子役卒業」を選ぶ子は半数以上だという。
そこからは、個性や知名度・実力次第の厳しい大人の芸能界が始まる。
※ 週刊朝日 2014年11月7日号