直木賞作家・木内昇は野球通 大阪桐蔭のようなチームが好きな理由 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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直木賞作家・木内昇は野球通 大阪桐蔭のようなチームが好きな理由

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大阪桐蔭―健大高崎 3回裏健大高崎2死一塁、ニ盗を決める走者平山 (c)朝日新聞社 

大阪桐蔭―健大高崎 3回裏健大高崎2死一塁、ニ盗を決める走者平山 (c)朝日新聞社 

 準々決勝で三重に敗れた沖縄尚学のエース・山城もまた、納得の表情で甲子園を去った。連投の疲れか、最後こそ腕の振りに勢いを欠いたが、大きく全身を使うフォームから繰り出される手元で伸びる直球で、ここまでの2試合とも2桁奪三振の記録を築いた。

 その点、盛岡大付は少し苦味が残った。強力打線の敦賀気比戦。エースの松本は右肘故障を押しての先発だった。この采配には賛否あろうが、甲子園のマウンドに立つというのはそれだけ特別なことなのだろう。また3回途中降板して以降、松本の守備や打撃がやや緩慢に見えたかもしれない。ただ痛みをこらえてのプレーだとああした動きになりがちだ。打撃に関しても、左打ちの場合、右腕により負荷がかかる。右肘を痛めているとバットを振りぬくのが難しく、どうしても中途半端なスイングになることを言い添えておきたい。

 夏の大会の会期はわずか2週間程度。その間に全国区になる呼称がある。古くは池田の「やまびこ打線」、今大会では健大高崎の「機動破壊」だろう。

 個人的に応援したくなるのは、選手が銘銘の個性で役割を果たしているチーム。投打がかみ合い、全体のバランスがよく、かつバッテリーの疎通がいいと連携の妙を見られるので、より野球の面白さを味わえる。東邦、静岡、市和歌山、富山商、三重や今年の大阪桐蔭などがこのタイプ。

 半面、健大高崎、敦賀気比などは理想とする形を選手全員が習得している印象。なすべきことが明確な分、迷いがなく強靱だ。特に健大高崎の足を使った攻撃は容赦ない。観戦するうち守るバッテリーに感情移入してしまうせいか、試合後疲労困憊、仮眠を取らずにはいられないほどだった。


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