「離婚するなら生活費を全額請求する」 “発達障害”の夫と離婚できない理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「離婚するなら生活費を全額請求する」 “発達障害”の夫と離婚できない理由

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 この数年で「大人の発達障害」への注目が高まっている。自閉症スペクトラム障害(ASD)の一タイプであり、「知的障害や言語障害を伴わない自閉症」と定義されるアスペルガー症候群などだ。

専門外来がある昭和大学附属烏山病院(東京都世田谷区)では月に1回、翌月の診療分の電話予約を受け付けるが、わずか2時間で埋まってしまう。病院長の加藤進昌さんが話す。

「ASDで知的障害がない場合、子ども時代は『少し変わった子』と受け止められ、周囲も本人も障害に気づかずに成人するケースが少なくない。学校教育では何とかなっても、社会に出ると会社での人間関係がうまくいかず、仕事が続かないといった困りごとが起こる。報道を見聞きして『もしかしたら家族がそうかも』と診断を求める人が増え、結果ASDの患者数が増加し、ますます注目されています」

 大人の場合、成育環境や経験によって障害の表れ方が違う。また、ほかの発達障害の症状を併せ持つケースも少なくなく、障害のない人たちには理解し難い。最も困惑するのが家族かもしれないが、直面する問題にはまだ目が届いていない。

 いまASDの人のパートナーが抱える状況や心身の不調を指す「カサンドラ症候群」という言葉がインターネット上などを中心に広まっている。加藤院長は「医学的に認められた疾患ではなく、ASDの人のパートナーだからとひとくくりにするのは疑問」とした上で、「その特性による言動に困惑し、うつ的な症状を呈する家族がいるのは事実」と指摘する。実際ASDは男性が女性の4~5倍とされ、妻が悩むケースが多いのだ。

 都内在住の主婦ケイコさん(仮名・46歳)もその一人。20代のころに勤めたソフトウエア会社で出会った夫は、海外の大学出身で2歳年下の後輩だった。

「プログラマーとしてずば抜けた才能を持ち、周囲の目や評価を一切気にせず、自分がいいと思えば押し通す。それまでに出会ったことのない人でした」


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