今や“虎の顔”として活躍する西岡剛選手(30)だが、グラウンド外での“エラー”が取材で明らかになった。

 西岡は2003年から10年まで千葉ロッテに在籍。その間の06年、第1回ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表として全8試合に出場し、優勝に大きく貢献したことで、一流選手の仲間入りを果たした。

 しかし、その功績に対して千葉市から06年に贈られた「千葉市市民栄誉賞」の表彰状が、競売サイト「ヤフオク!」に出品されていたのだ……。

 謎の出品者によって競売が始まったのは8月3日。当初、12万円のスタート価格がつけられたが、結局、入札者は現れずじまい。現在はスタート価格を10万円に改めて、18日の入札期限を待っている状況だ。

 千葉市に意見を求めたところ、「贈呈した側としては残念です」とのこと。前千葉市長の鶴岡啓一氏から、「市民に希望と感動を与えてくれてありがとう」と授与された表彰状は、なぜ、その気持ちを裏切る形で売りに出されてしまったのか。

 偶然、今回の件を発見した野球グッズコレクターの男性はこう推測する。

「出品者は西岡選手の座右の銘が書かれた色紙も競売にかけています。商品説明の欄にはロッテのロッカールームに飾られていたとありました。入れる人間が限られる場所ですから、表彰状と共に球団関係者の盗難に遭い、流出した可能性もあると私は見ています」

 盗難の末に表彰状が売りに出されていた場合、西岡は被害者だ。阪神を通して本人に取材を申し込むと、広報部がこう答えた。

「表彰状が西岡選手の手元にないのは事実です。しかし、その原因は不明だそうです。紛失だったとしても時間が経過しているので、今さら警察に届けを受けてもらうことはできません」

 スポーツグッズ鑑定家の前野重雄氏に見解を聞いた。

「表彰状を流出させたのは近しい人間で、それを西岡選手は黙認するスタンスなのでは。出品者の履歴を見ると、過去にも西岡選手のグッズを競売にかけていますしね……。ただ、本来は本人のお墨付きがないかぎり、グッズに適正な価格はつかないもの。表彰状を私のところに持ってきても、千円以下の査定です」

 出品者に表彰状の出自を尋ねるメッセージを送ったが、回答は得られなかった。いわくつきの“お宝”に買い手は現れるのか。

(本誌・福田雄一)

週刊朝日  2014年8月29日号