日本の大学の英語教育は、“転機”を迎えている。東京海洋大学は2月19日、2016年度からTOEFLやTOEICなどの英語能力テストの一定以上のスコアを入試の出願条件にすることを発表した。大学が外部の英語能力テストを出願の条件とするのは、全国初だ。

 学部は、水産系の学問を学べる海洋科学部だ。一般入試だけでなく、推薦入試でも出願条件を課すという。英語力がない学生は受験資格すら与えられない――そんな時代が到来しようとしている。

 はたして、全国の大学は、どれだけ英語教育や国際化に力を入れているのだろうか。

 週刊朝日は全国160の国公立・私立大学に、アンケートを実施した。それらをもとに、日本人学部生の派遣・交換留学者数や外国人教師数などをランキングにした。日本人学部生の派遣・交換留学者数をみると、立命館大学がトップだ。同大では、文学部と広東外語外貿大学(中国)、東西大学校(韓国)から選抜された学生が、3カ国のキャンパスを移動しながら学ぶプログラムを行っている。英語圏にある大学の正規課程への派遣も推進している。ほかにも、関西外国語大学、関西学院大学が上位に入り、近畿圏の留学熱が高いのが目につく。

 逆に海外からの留学生の受け入れ数をみると、早稲田大学に続く2位に、日本経済大学が東京大学を抑えて入った。同大は福岡を本拠に、東京・渋谷、神戸・三宮にキャンパスを持つ。学生の多くは中国人などアジア系の留学生で、日本人は少ない。

 外国人教師の数は、東京大学が515人と圧倒的なトップ。このほか、関西外国語大学や神田外語大学といった語学に強い大学が、トップ10に入った。

週刊朝日  2014年3月7日号