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 40代以上の人が定年後にしたいことの1位は旅。子育て終了後の中高年女子がとくにヨーロッパへのひとり旅に寄せる思いは熱い。ショッピングや自分探しを卒業した大人だからこそ、気ままに旅したい。お金をかけず、ちょっと贅沢に、旅する技術をひとり旅歴20年の寺田和代さんが伝授する。

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 中高年女子ひとり旅には不安がつきまとうもの。土地勘や若さがなくともなんとかなるかもしれないけれど、「言葉力、お金、体力」なしでホントに大丈夫?

 答えはイエス。20年前、ユーレイルパス(ヨーロッパ周遊券)で初めてひとり旅をした時、国境越えの列車内で、やはりひとり旅らしい女性からかけられた「Where are you from?(ご出身は?)」の意味がわからず、次の駅までの数時間を無言のまま緊張し続けた情けなさには今も胸がうずく。が、そんな状態でさえ、食べ、泊まり、移動することには困らず、安全かつ予算内の費用で旅を終えられた。今では言葉も旅の技術もそれなりに上達し、旅先で出会う人を大切にすることで、女子ひとり旅の醍醐味みたいなものを感じられるようにもなった。

 さらに旅人として「大切にされる」には、いくつかの条件とコツがあるという発見にも至った。最小のコストで最大のラグジュアリーを期待できるひとり旅の技術とともに10の条件にまとめた。

中高年女子ひとり旅の10カ条

・「中高年女子ひとり歩き」がさまになる街、地域を選ぶ
・旅の計画、予約、チケット購入は半年前から少しずつ取り組む
・出発から帰宅まですべて込み20万円以下とはじめに決めてしまう
・英語NGの人は覚悟を決めて中学レベルの英語をおさらいしておく
・「大切にされる旅人」の条件は、挨拶とそこそこおしゃれな外見
・女の見方は女! 旅先で頼りになるのは万国共通20~60代の女子
・もちろん、親切でジェントルな男性の助けもありがたく借りる
・「寂しそう、不安そう、不幸せそう」なオーラは出さない
・日没とともに、その日の街歩きは終えよう
・地獄で仏にも会える。海外旅行保険は必ず入って損はなし

週刊朝日 2014年1月3・10日号