小泉元首相が視察した「オンカロ」の入り口 (c)朝日新聞社 @@写禁
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アンケート集計結果はこちら(政党別ページになっています)
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 小泉元首相の脱原発発言で国会が揺れる中、本誌では全衆院議員に対し原発政策を問うアンケートを実施。集まった回答は残念ながら全体の3割にしか達しなかったが、いわき市議、福島県議などを歴任した自民党の坂本剛二議員がこうコメントを寄せた。

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 私の選挙区である福島5区は双葉町や浪江町などが含まれ、文字どおり福島第一原発の事故被害が直撃した場所です。

 そうした地域から選出された議員だからこそ、絶対にアンケートは答えなければならないと思ったのですが、やはり無理でした。

 有権者の皆さんは「今日」と「明日」のことで精いっぱいです。健康、就職、進学、除染、補償……。誰もが原発の「未来」にメッセージを発する重要性は痛感していても、やはり余裕がない。

 私は選挙中、「卒原発」を訴えました。54基ある原発を、まずは減らしていこうという主張です。自民は原発推進というイメージを持つ方も少なくないでしょう。確かに党内で表立って賛意を示す議員は少ないかもしれません。ですが相当数が同じ考えを持っていると思います。あれだけの巨大事故だったのですから当然ではないでしょうか。

 なかなか前に進めないのは、自然エネルギーの利用と大規模蓄電池の開発にさまざまな技術的課題が存在するからです。これが解決されれば卒原発が達成できるのにと、歯がゆい思いをすることもあります。

 小泉元首相の指摘でクローズアップされた高レベル放射性廃棄物の問題ですが、私は「オンカロ」のような最終処分場を国内に造らなければならないと考えていますし、その際は首都機能移転とリンクさせるべきだと以前から訴えてきました。残念ながら、なかなか反響を呼びません。

 最終処分場が造られるのは最も地盤の安定した場所です。つまり首都機能を移転させるのにも理想的なのです。新しい国会の真下に廃棄物を地層処分し、その上で国会議員が働く。

 国民に「安全である」とわかってもらうためには、それぐらいの覚悟を議員が示す必要があるのではないでしょうか。

週刊朝日 2013年12月20日号