ライブドア元社長の堀江貴文氏が、大好きなゴルフに関してこのようなIT化を提案する。

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 会社を辞めてから刑事裁判をやっている時期、ほかにやることがないので知人から勧められたゴルフにはまってしまった。

 ゴルフ雑誌からゴルフ番組まで全部制覇して、全世界のゴルフ場めぐりをして、プロゴルファーとも仲良くしてもらっている。トーナメントのプロアマ戦に出たこともあるくらいのゴルフ好きだ。

 なんと、『ホリエモンが目覚めた“頭を使う”ゴルフ』(Zaiten books)、なんて本まで出してしまったくらいだ。最近はオンラインメディアや雑誌でも連載を持つようになった。コンペも主催しているのだが、なかなか忙しくてゴルフ場に足を運べないのが残念な限り。

 そんな私であるが、最近、ラウンドしながらスマートフォンをいじるのが習慣と化している。「ゴルゴル」という私が愛用しているスマートフォンアプリには全国のコース情報が入っていて、スコアカードに書き込まずにスコアを自動的に計算してくれる。

 使用クラブやパット数などを入れておけば、自動的に分析もしてくれる優れものアプリだ。しかし、困ったことがある。ずっとスマートフォンを使っているとバッテリーの減りが早すぎるのだ。そのため、モバイルバッテリーを持ち歩いたり、昼食中に充電したりすることになる。解決策はないのだろうか?と思ったらゴルフ場には必ずカートがある。電動カートに給電用のUSBポートを何個か作っておけばいいのだ。

 さらに、各カートにWi‐Fiスポット機能を作り、ゴルフ場全体でWi‐Fiを使えるようにするのである。多くの人は電話じゃなくてLINEなどのメッセージツールやメールを使っているはずで、Wi‐Fiが使えれば便利なはずだ。

 特に山奥のゴルフ場は電波が通じないことが多いので、なおさらである。さらにカートに付いているナビゲーションシステムも、動作が遅いし、タッチパネルの応答も悪いので、全部iPadに変えてほしい。

 また、Wi‐FiスポットでGPS信号を補正すれば、かなり精度の高いコースナビゲーションができるのではないか。各人のスコアもiPadに入力しておけばコンペのときの集計も一瞬だろう。またレストランの食事予約も便利である。あらかじめiPadでメニューを見て注文しておけばラウンドが終わる時間を見計らって料理がすぐに運ばれてくるのである。

 さらにプレー代金の精算もオンラインでできればいい。ゴルフ場予約サイトなんかでは、すでにできる。当然やるべきと思われるIT化が進んでいないことに、ゴルフ場経営者の怠慢を感じるのは私だけだろうか。「全国ゴルフ場ITランキングをやってほしい」と、雑誌の編集者に言ってみたので、そのうち特集されるかもしれない。

 そういうのってどっちかというとダイヤモンドのような経済誌のほうが得意そうだけど。いずれにせよ、ゴルフ場を始めとして各業種には、まだまだスマートフォンやタブレット端末を使ったイノベーションの余地が山ほどあるってことだ。

週刊朝日 2013年12月13日号