田園調布乳児連続遺棄事件 30代若夫婦の異様な生き方 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田園調布乳児連続遺棄事件 30代若夫婦の異様な生き方

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週刊朝日

 次々と子どもを産んでは捨てる――。信じられない事件が発生した。

 10月30日、警視庁は保護責任者遺棄の疑いで、東京都大田区田園調布本町の無職・戸沼英明(32)と妻でホステスの千恵美(31)の両容疑者を逮捕したと発表した。両容疑者には、少なくとも4人の子どもがおり、生存が確認されたのは、次男、長女、次女。長男(11)の行方は今もわかっていない。

 発端は2010年1月、大田区の民家前で、生まれたばかりの女児が発見されたことだった。この女児が後に長女(3)と判明する。女児を発見した60代の女性が言う。

「朝、パートに出勤しようと玄関を出ると、花壇の中に丸まったセーターが置かれていました。開けると、赤ちゃんだったんです」

 さらに翌11年3月、この民家近くの公園で、やはり生後間もない女児が公園のベンチに置かれていた。これが次女(2)だった。

 一方で東京都の児童相談所は、04年から独自に調査をしていた。当時、北区に住んでいた両容疑者が次男(9)を虐待しているとの通報があったからだ。

「04年12月に次男を保護したのですが、住民票をチェックすると長男がいることがわかったのです。両親に聞くと、『親族に預けている』と。しかし、父親の戸沼容疑者と年末には連絡が取れなくなってしまったのです」(都の家庭支援課)

 翌05年の1月には母親の千恵美容疑者とも音信不通となった。相談所は親族を訪ねたが「長男は預かっていない」と答えたという。

 相談所が定期的に戸籍を確認していると、今年8月に千恵美容疑者が田園調布に住民登録をしたことが判明。田園調布署に相談したところ、警察の捜査で2人の女児が捨てられていた事件と結びついたのだ。

 逮捕時、夫婦は築40年を超すマンションの一室に暮らしていた。

「分譲マンションで、所有者は別人です。賃貸だったのかもしれない。管理費は滞納していました。部屋は元管理人室を改築したから17平米と狭く、10畳ぐらいしかない。子どもは一度も見たことがありません」(同じマンションの住人)

 近所にあるコンビニの店長が言う。

「弁当や酒、猫のエサなんかを買っていました。妻はいつもすっぴんでした。ホステスといっても、派手さはない。夫はレジには来ず、隅のほうにいました」

 千恵美容疑者の身長は160センチ前後。色白で、髪は背中まで伸びるほど長く、無表情で暗い雰囲気だったという。動機について「お金がなかった」と述べているが、4、5年前から川崎市のキャバレーで働いていた。

 店の事情を知る関係者が語る。

「逮捕の前日まで働いていたようだ。店はキャバレーといっても、7千円ぐらいで性的なサービスもしています。千恵美容疑者は週に4、5日働いて、1日6千円ほどの収入があったはず。1カ月で12万円ぐらいもらっていたと思う」

 行方不明の長男については、両容疑者とも「埼玉県内に住んでいる時に死んで、怖くなって捨てた」と供述しているという。

 長女を発見した女性は、こうつぶやいた。

「子どもを見つけてください、という置き方だったんです。そこにぎりぎり、わずかな親の情を感じました」

 親として一片の愛情はあったのか。

週刊朝日 2013年11月15日号


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