ボージョレ・ヌーボー 毎年「100年に一度の出来」の謎 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ボージョレ・ヌーボー 毎年「100年に一度の出来」の謎

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週刊朝日
今年も間もなくです! (c)朝日新聞社 

今年も間もなくです! (c)朝日新聞社 

「11月の第3木曜日」と聞いてピンときたあなたは、ワイン好きにちがいない。「ボージョレ・ヌーボー」が解禁される日だからだ。

 このワイン、バブルの頃の記憶と重なる人も多いことだろう。にわか景気にわいた80年代、時差の関係もあり、日本が「世界で最初に飲める」などとメディアが取り上げて爆発的なブームとなった。解禁日には「1秒でも早く飲みたい」という人々が成田空港近くのホテルでパーティーを開いた。

 あれから四半世紀、今でも解禁日の前後には、ボージョレ・ヌーボーがニュースに取り上げられている。そこで目にするのが、出来ばえについての輸入業者や酒販店など専門家たちの評価コメント。試しに、過去に報じられた例を出してみると、「ちょっと待てよ」と思わざるを得ないのである。

「過去100年で最高」(03年)
「『100年に1度』と評価された昨年を上回る出来」(04年)
「100年に1度といわれた一昨年をしのぐ」(05年)
と、「100年に1度」という最高級とも思える評価が、いともあっさり2年連続で超えられている。

 いったい、いつが一番だったのか。日本初のワイン専門誌「ヴィノテーク」を創刊したワインジャーナリストの有坂芙美子さんは、笑いながらこう話す。

「一番というのは難しいですが、02年以降で良かった年は、05年と09年ではないでしょうか。でも、そもそも『ボージョレ・ヌーボー』という言葉が一般に定着したのは1960年代なので、『100年に1度』というのは、おかしいですよね」

 地元には「ボージョレワイン委員会」というボージョレ・ヌーボーの生産者団体もあり、解禁前にその年の品質予想を公式発表している。新聞などに載った輸入業者のコメントとはだいぶ違い、控えめだ

 フランス食品の輸出を促進する団体「フランス食品振興会」の担当者は話す。

「輸入業者や酒販店の人たちが、現地の生産者にその年の出来具合を直接聞いていることもあります。ボージョレワイン委員会の品質予想はややわかりづらいときもありますから、業者の人たちは自分たちで、わかりやすくて目を引く言葉での評価コメントを考えているのではないでしょうか」

 業者側の話を聞いてみよう。輸入最大手のサントリーの広報部に聞いてみると、「担当者がワイナリーや畑に直接行きますし、現地の人と話して出来を判断しています」。

週刊朝日 2013年11月8日号


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