「置かれた場所で~」の著者 「私は“くれない族”だった」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「置かれた場所で~」の著者 「私は“くれない族”だった」

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週刊朝日

 ベストセラーとなった『置かれた場所で咲きなさい』の著者、渡辺和子さん。アメリカの修練院やボストン・カレッジ大学院を経て、36歳の若さでノートルダム清心女子大学の学長となったが、当時の苦労などを聞いた。

*  *  *
 思いがけず学長という立場につけていただきまして、やはり苦労がございました。私はいわゆる「くれない族」というものになりました。お辞儀をしてくれない。あいさつをしてくれない。こんなに苦労しているのに労ってくれない。そういう「くれない族」。

 私は「もっと人様に仕える仕事をさせていただくために入ったのに」と私を修道院に推薦してくださったアメリカ人の神父様のところにまいりまして、縷々(るる)不平不満を述べました。すると神父様は、「あなたが変わらなければ、どこへ行っても何をしても同じだよ」とおっしゃいました。目からうろこが落ちました。他人が変わることばかり求め、幸せを他人まかせにしていた自分に気づかされました。

 私が変わらなければと思い、私の方からあいさつをする人間に変わる決心をいたしました。そうすると、周りの方が変わってくださったんですね。明るくなりました。それまでは、環境さえ変われば、みんなさえ私を理解してくれれば、と思っていました。神父様の一言で、大切なのは人に頼ることじゃないんだ、と気づきました。「環境が悪い」「人が悪い」ではなくて、悪い環境ならよくしよう。よくするためにはまず私が一番先に変わらなければいけない。発想の転換と申しましょうか、そういう気持ちになりました。

 私は傷つきやすいところがございますけれども、そのおかげで、人様にこういうことをしたら、この言葉を申し上げたら傷つくんじゃないかということがわかる人間になったと思います。弱さ、傷つきやすさを逆手にとって、相手の気持ちがわかる人間になる。だから傷つくことのありがたさを忘れてはいけないのです。

 時間の使い方は命の使い方。この世の中に無駄なものは一つもございません。嫌なことや傷つけられたことさえも私たちはいいことに変えられるのです。

週刊朝日 2013年6月7日号


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