「アベ相場」の勢いはまったく衰えていない。3月21日、日経平均株価はついに、1万2600円台を突破。約4年半ぶりの高値となった。そんななか、個人投資家が動きだしている。東京証券取引所によると、取引に占める個人の割合は、「アベ相場」前の昨年10月は26.5%に過ぎなかったが、今年2月には40.9%まで跳ね上がった。相場の主導権を握る外国人(48.5%)に迫る水準だ。

 3月中旬、都内で開かれた有料の日本株投資セミナー。数億円を稼いだという30代前半の「カリスマトレーダー」が壇上に登場すると、駆け付けた個人投資家から大きな拍手が送られた。

 初老の男性から勤め人らしき中年男性、そしてミニスカート姿の若い女性まで。さまざまな職業や年齢の人々が、「投資の秘訣」を聞き逃すまいと、一生懸命にメモを取っていた。「カリスマ」は、今年に入ってすでに8千万円は稼いだという。

「アベノミクス効果で昨年末にはチケットがすでに完売するほどの人気ぶりでした」(主催会社の関係者)

週刊朝日 2013年4月5日号