命にかかわる首の「ヘルニア」手術 最適な方法は? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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命にかかわる首の「ヘルニア」手術 最適な方法は?

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 重症化すると、四肢の運動障害を招く恐れがある首の「頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア」。手術方法はさまざまだが安全性の高い方法を選択したい。

 頸椎椎間板ヘルニアの手術には、手術用顕微鏡を用いた低侵襲(ていしんしゅう)手術(マイクロサージャリー)のほかに、2センチほど切開した首の後ろ側から直径13~22ミリの内視鏡と3ミリのドリルを入れてヘルニアを摘出する「内視鏡的後方アプローチ」や、首の斜め前から直径約4ミリの内視鏡と2ミリほどの鉗子を入れてヘルニアを摘出する「経皮的内視鏡下頸椎椎間板ヘルニア摘出術(Percutaneous Endoscopic Cervical Discectomy=PECD)」などがある。なかでもPECDは切開する大きさが約5ミリと非常に小さく、翌日に退院できるため、高い関心を集めている。しかし、PECDには解決すべき課題が残されていると、新百合ケ丘総合病院の脊椎脊髄末梢神経外科 低侵襲脊髄手術センター長の水野順一医師は指摘する。

「PECDの場合は直視できない透視下で首の斜め前から器具を入れていくため、食道や気管、頸動脈などを傷つけてしまう危険があります。技術が未熟な医師が執刀すると、命にかかわるほどの重大な事故を起こしてしまうことも考えられます。腰の椎間板ヘルニアに対して実施する『経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy=PELD)』の場合は椎間板に到達するまで筋肉しかないこともあり、信頼性が高まっていますが、PECDはまだ安全性や確実性が確立されていない状況です。将来的な可能性のある手術法ではありますが、現時点では慎重になる必要があると思います」

 しかも、マイクロサージャリーと内視鏡的後方アプローチは保険診療だが、PECDは手術器具が未承認のため自費診療だ。ヘルニアの大きさなどによって治療条件は異なるが、摘出手術を受ける際はセカンドオピニオンも活用して、安全性の高い方法を選択したい。

週刊朝日 2013年3月8日号


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