田原総一朗氏「尖閣問題『中国の思うツボ』は避けるべし」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗氏「尖閣問題『中国の思うツボ』は避けるべし」

連載「ギロン堂」

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 2月5日、小野寺五典防衛相は、1月30日に東シナ海で警戒監視中だった海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対し、中国軍艦が射撃用の火器管制レーダーを照射したと発表した。こうした動きにジャーナリストの田原総一朗氏は、「習近平総書記も止められない中国軍の暴走だ」と警告している。

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 1月下旬に公明党の山口那津男代表が訪中した際、日中の関係改善を訴えた山口代表に習近平総書記は「中日関係は特殊な時期、特殊な情勢に入っているが、両国間の困難を克服し、改善していきたい」と話している。

 この発言は単なるあいさつでもないだろう。中国のトップが日中関係改善を望んでいるのは本音のはずだ。

 ところが、中国軍の危険きわまる挑発は、この会談の後も変わらないどころか、エスカレートしている。中国軍は、トップである習総書記の意図とはまるで正反対の行為を繰り返している。これは中国軍が暴走しているということにほかならないが、何度も暴走を繰り返すというのも妙な話だ。まさか、実はトップと軍が共同謀議していて、習総書記が二枚舌を使って山口代表を欺いた、などということはないだろう。

 習総書記は、軍の危険きわまる暴走行為を知りながらも、それを止めることができないのではないか。これは、最も危険なパターンである。

 また、1月に当時のクリントン国務長官が尖閣問題をめぐって、「日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的行為にも反対する」と日本支持の姿勢を明言したが、国務長官がジョン・ケリーに代わって、改めてアメリカの本音を探るための挑発だと捉える外務省幹部もいる。

 問題は、日本政府がこれにどう対応するかである。中国側の挑発に乗る、あるいは日本側の足並みが乱れるようなことがあれば、それこそ中国の思うツボだ。

 挑発には乗らず、領海と領土は冷静に、毅然として守る。同時にアメリカと頻繁に話し合い、関係を密にして中国につけ込まれないようにする。これが肝心だ。

週刊朝日 2013年2月22日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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