選挙中は小沢氏と蜜月関係だったが、分党会見では生活の党の森代表、小沢氏に挟まれ、頭を下げた。 (c)朝日新聞社 @@写禁
選挙中は小沢氏と蜜月関係だったが、分党会見では生活の党の森代表、小沢氏に挟まれ、頭を下げた。 (c)朝日新聞社 @@写禁

 昨年11月に結党した日本未来の党が、わずか1カ月余りで分党した。昨年12月の衆院選で衆院の議席が62から9に激減し、お家騒動が勃発。年の瀬も押し迫る中、衆参合わせた17議員のうち、小沢氏系の15人は「生活の党」(森ゆうこ代表)、阿部知子衆院議員は「日本未来の党」、亀井静香議員は「みどりの風」(共同代表は谷岡郁子参院議員ら)に参加する形で3分裂した。

 26日午後に、飯田哲也代表代行(当時)が小沢一郎氏と分党の協議をしたが、国政の世界は甘くなかった。「選挙に7、8億円かかった。年内に分党問題を決着できなければ、そちらが負債も引き継ぐことになる」と小沢氏側にすごまれ、未来の党は結局、生活系に乗っ取られる形となったのだ。

 小沢氏側は旧未来を生活に党名変更して継承することにこだわった。それを成就した結果、生活の党は今年、約8億6500万円の政党交付金を手にする。一方、看板と阿部議員だけが残った未来の党は、国政政党の資格を失って単なる政治団体となり、交付金は入ってこない。

 嘉田氏はこう言う。「未来の党は衆院選で得票率2%以上を取っていたので、議員が阿部さん1人になっても、1月1日まで未来の党を維持すれば、国政政党の資格を確保できました。しかし、平和主義者の私はけんかが苦手なので、仕方ないなと……。この結果は、相手がどうこうというより、私の判断が甘かったために招いたと反省しています」。

週刊朝日 2013年1月25日号