12年12月、東宮御所で談笑する皇太子ご夫妻 (c)朝日新聞社 @@写禁
12年12月、東宮御所で談笑する皇太子ご夫妻 (c)朝日新聞社 @@写禁

 雅子さまに「回復の兆し」が見え始めているという。すでに療養は10年目に入り、皇太子妃としての歳月の半分を占める。このまま回復に向かい、いずれは皇太子さまとともに、国民と天皇家をつなぐ懸け橋になれるのか。

 皇太子さまが雅子さまに意見できない現状を、皇太子ご夫妻と接点のある関係者がこう危惧する。

「皇太子殿下には何度も、雅子さまのなさりようはよろしくないとお話ししたのですが、妃殿下にお伝えになる気配はありませんでした。この9年間、妃殿下のご病気は、水戸黄門の印龍のように、周りを押し黙らせるものになってしまっていたのです」

 皇太子さまは繰り返し、「これまでの公務を整理し、時代に即した新しい公務をできれば」という趣旨の言葉も述べてきた。これは公務を選ぶ、ということだ。だが、いつまでたっても、新しい公務像は見えてこない。このため、元宮内庁幹部はこう嘆く。

「皇太子さまはご結婚以来、雅子さまの世界に寄り添い、外に壁をつくってしまっている。国民との距離は広がるばかりです。2013年6月には皇太子ご夫妻のご結婚20年を迎えますが、いまの状態が続くようなら素直に喜べません」

 いま、多くの関係者が懸念するのは、皇室と国民との距離が、今後ますます開きかねないという点だ。

週刊朝日 2013年1月4・11日号