7人制ラグビーは男女とも2016年リオ五輪から正式競技化が決定。女子ラグビーも急成長中で、9月の国際大会で日本代表が準優勝している。

 しかし、そんな快進撃に水を差す"疑惑"が持ち上がった。日本代表の元主将も在籍するトップクラブチーム「ラガールセブン」の実質的運営団体が、toto(サッカーくじ)の助成金を不正受給していたというのだ。

 その団体は「トップアスリートマネジメント(以下、TAM)」。toto助成金は競技の普及強化名目で出されているが、その受け皿として設立された一般社団法人だ。都内でコンサル会社を経営するX氏と、フジテレビのスポーツ局に所属するY氏の2人が理事を務める。toto助成金を管理する独立行政法人・日本スポーツ振興センターによると、昨年度の助成金額は1024万9千円。

 いったい何が起きているのか。運営の内情を知る関係者A氏がこう明かした。

「昨年度、8人のコーチの謝礼分として計900万円を申請した。しかし、一部のコーチの稼働時間は申請した時間より大幅に少なく、中にはラグビー経験がなく一度も指導をしない人間まで含まれていた。こうして過大に申請した助成金を、税金分を除き、ほとんどのコーチに寄付という名目でTAMにバックさせていたのです」

 実は、この「バック」の手法は日本スポーツ振興センターが禁じており、最近も問題になったばかり。

 TAMに事実関係を問い合わせると、文書で、「全て事実無根であります。突然、このような指摘を受けるなど、誠に遺憾に存じます」などと疑惑を否定した。ところが、週刊朝日が問い合わせた翌日、TAMは、日本スポーツ振興センターに申請していた今年度の助成金960万円の取り下げを伝えてきたという。

週刊朝日 2012年10月5日号