人が羨む若妻という「逆転ホームラン」をかっ飛ばしたい、最近、そんな中高年男性が増えている。きっかけは、芸能界をにぎわせる"年の差婚"ブーム。中でも昨年6月、45歳年下の女性と再婚した加藤茶(69)の存在が大きい。週刊朝日はそんな夢を追い続ける世の男性を、"カトちゃん病"と命名、その生態を追った。

 東京都新宿区の結婚相談所に入会している50歳の女性が、腹立たしそうに話す。

「64歳の男とお見合いをしたら、『50歳ね。互いに年のことは言いっこなし』と一笑された。こっちは14歳も下なのにババア扱い。さらに下を狙うのかとびっくりして、思わず担当者に聞いたら、そういう男性が軒並み増えてるというんです」

 結婚相談所「マリーミー」(東京都渋谷区)の代表仲人で、『必ずうまくいく婚活の裏ワザ25』の著書がある植草美幸さんは、こう話す。

「高齢の男性が、若くてきれいな女性と結婚したがる例がとにかく多い。加藤茶さんが再婚したころから一気に増えましたね。私はカトちゃん病でなく加藤茶病と呼んでます。勘違いというか、男性の妄想ですね」

 マリーミーの成婚率は、この業界でもトップクラスの60%。だがその中には、"カトちゃん"のように「年に大差」があるカップルはほとんどいないという。

「テレビで長年見てきた加藤さんや仲本さんを身近に感じて『俺だって』と思うのかもしれませんが、彼らは芸能人。一世風靡して今に至るのですから、人間力も、経済力も全く違う」

 この前、定年退職して5年目だという65歳の男性が、「30歳以上離れた女性を嫁にしたい」と言って入会してきた。

「タイプは良妻賢母に限るという。それも今では古い言葉ですけど。それで年金は?と聞くと、月に5万円だと。若い奥さんにせっせと働いてもらって自分が家事をするというんです。食べさせてもらって、いずれ介護までさせようなんて、どこまで虫がいいんだか」(植草さん)

 当然、その男性に女性側からの申し込みは一件もなかった。

※週刊朝日 2012年8月3日号