生後まもなくして死んだ赤ん坊や、死産した胎児の遺体を乾燥させた後、粉々に砕いてカプセルに入れる。できあがったカプセルを飲めば、滋養強壮にとても良いらしい……。
そんなホラー映画とも都市伝説とも思えるような「人肉カプセル」が、中国から韓国へ密輸され問題になっている。韓国関税庁は5月6日、取り締まりを強化することを発表した。
ことの発端は昨年7月、韓国メディアが「人肉カプセル」の実態を報道したことによる。情報を受けた関税庁がカプセルを押収して鑑定したところ、「中身」がヒトのDNA配列と99.7%一致したのだ。
にわかには信じがたい話だが、中国に詳しいジャーナリストの富坂聰氏は、中国の「ディープ」な食事情についてこう語る。
「人肉カプセルは聞いたことがなかったが、中国では胎盤を生で食べたり、加工して食べたりすることはよくあります。広東省のとある病院の裏には、病院から横流しされた胎盤を使った胎盤専門のレストランがあったほどです。そういった経緯を考えると、人肉を食べることに中国人はさほど抵抗感がないのかもしれません」
中国発の“人肉料理”は、これだけにとどまらない。中国情勢に詳しい評論家の宮崎正弘氏もこう語る。
「そもそも中国では人肉を食べることが美徳とされた時代があり、実際に三国志などにも“食人”の記述が出てきます。一人っ子政策によって中絶が奨励されているためなのか、10年ほど前には、堕胎した胎児を使って料理する“胎児スープ”なるものが流行したこともありました」
※週刊朝日 2012年5月25日号