グーグルが公表した新しいプライバシーポリシー(個人情報保護指針)が波紋を呼んでいる。無自覚にネットに接続しただけで、名前や位置情報、電話番号がネット企業に"ダダ漏れ"になってしまう。便利で無料のサービスを享受することと引き換えに、あなたはどこまで個人情報をさらけ出すことができますか?

 グーグルのメールサービス「Gメール」を使っている人なら、1月下旬に届いたこんな表題のメールに覚えがないだろうか。

〈Googleのプライバシーポリシーと利用規約の統一について〉

 本文の書き出しは、

「Google全体で60を超えるプライバシーポリシーがありましたが、今回、これらをより短くて読みやすい一つのポリシーに統一することにいたしました」

 以下、文章は続くが、よほどのIT通ならともかく、理解できずにそれ以上読むことをやめてしまったり、メールを削除したりした人も多かったのではないか。

 そこで、ITジャーナリストに聞くと、こう解説してくれた。

「グーグルは検索エンジンだけでなく、カレンダー機能やGメール、動画配信サイトのYouTubeなど数十のサービスを展開しています。メールの趣旨は、各種サービスを利用する人の個人情報を集約し、横断的に使うことで一人ひとりのニーズに合う情報を提供するということです」

 つまり、新たなポリシーが適用される3月1日以降は、今まで以上に「かゆいところに手が届く」サービスが提供されるようになるらしい。

 別のITジャーナリストが解説する。

「個人が"丸ハダカ"にされる、ということです。例えば、Gメールやソーシャルネットワークサービスのグーグル+などを利用する時には、個人情報を登録します。ログインしていると、そのユーザーがどんなページを見て、いつどこで何を検索したかなどが知られてしまいます」

 新たなポリシーではグーグルが集めると"宣言"した情報は、氏名やメールアドレス、電話番号、クレジットカードの個人情報、端末固有のID、検索したキーワード、通話相手の電話番号や通話日時、通話時間、IPアドレス、現在地の位置情報など多岐にわたる。

※週刊朝日 2012年3月9日号