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きょう10日、関東や東海周辺の雨雲レーダーには「ブライトバンド」が出現しています。ブライトバンドとは、周囲より相対的に強いエコーで、リング状にあらわれます。

ブライトバンドが出現

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きょう10日、関東や東海地方は朝から雪や冷たい雨が降っています。雨雲レーダーを見ますと、一番上の画像では、神奈川県東部の川崎・横浜付近に、2枚目の画像では、愛知県や三重県、岐阜県の所々に、リング状のレーダーの濃い部分があるのがわかります。
これは「ブライトバンド」と呼ばれるものです。このような「ブライトバンド」が、きょうは関東や東海、北陸周辺のレーダーで度々あらわれています。

「ブライトバンド」の仕組み

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雨雲レーダーには、"降水粒子が大きくなるほどレーダ―に強く反射してしまう"という特徴があり、そのため「ブライトバンド」という現象が発生します。
降水粒子の大きさは、一般的に「雨<雪<みぞれ」の順に大きくなります。日本上空では、雨雲から降水粒子が落ちてくる段階では気温が0℃を下回っていることが多く、凍った状態で降りてきます。高度が下がるとともに気温は上がりますので、地上付近が0℃よりも高く、雨として降水がある場合は、地上に到達するまでに気温0℃前後の層が存在することになります。

この「上空の気温0℃前後の層」を通過する際、凍っていた降水粒子(雪)が雨へと解けていく途中の、ひとまわり大きくなった降水粒子(みぞれ)を、レーダーが必要以上に強く反射してしまうことで、リング状の周囲より相対的に強いエコー「ブライトバンド」がレーダ―に映ります。降水粒子の変化としては、雪→みぞれに変わって表面積が大きくなっただけであり、水分量が増えたわけではないので、実際に「ブライトバンド」の直下で降水が強くなるわけではありません。