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カルフォルニア州では、発達した低気圧が接近し、嵐になりました。「大気の川」の影響で大雨になり、今後も大雨や大雪、強風が予想されています。

カリフォルニア州で嵐 すでに降水量は平年ひと月の約7割も

3日から4日(現地時間)にかけて、北太平洋の東部で低気圧が発達しながら東へ進み、低気圧の中心気圧は24時間で、24hPa以上低下しました。発達した低気圧は5日頃、カリフォルニア州に接近しました。この低気圧に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込みました。

カリフォルニア州では、南よりの風が吹き、サンフランシスコ空港で、5日、瞬間的に59mi/h(約26m/s)を観測しました。

サンフランシスコ空港では、日降水量は4日に1.65インチ(約42ミリ)を観測しました。降水量の多い時期ではありますが、1月上旬も過ぎないうちに、1日から7日にかけての降水量の合計は、すでに平年ひと月の降水量のおよそ約7割に達しています。

北太平洋でジェット気流が平年より強く 東部で低気圧が発達しやすい状況

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上の図は、1月6日まで7日間の上空9500メートル付近を流れるジェット気流の様子です。
北太平洋に赤いエリアが見られ、平年よりジェット気流が強いことを示しています。このため、北太平洋の東部では低気圧が発生、発達しやすい状況です。

atmospheric rivers 大雨をもたらす「大気の川」

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上の図は、1月6日まで7日間の地上の気温と気圧、熱帯域の風の様子です。
ハワイ付近では気温が平年より2℃ほど高いオレンジのエリアで、そこから風がアメリカ西海岸に流れており、この風は平年より強いことを示しています。このため、カリフォルニア州には、ハワイ付近から大量の水蒸気が流れ込んでいるとみられます。これは、Atmospheric riversと呼ばれる「大気の川」です。

Atmospheric rivers「大気の川」は、大気中で水蒸気を、熱帯域などから運ぶ、空を流れる川のような現象で、地形の影響が加わるなどで、大雨をもたらすこともあります。

日本では、平成30年7月豪雨で、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨になりましたが、このとき、大量の水蒸気が太平洋や南シナ海から流れ込むAtmospheric riversの現象がみられました。

参照
noaaホームページ
https://www.noaa.gov/stories/what-are-atmospheric-rivers
american meteorological societyホームページ
https://glossary.ametsoc.org/wiki/Atmospheric_river
科学技術振興機構ホームページ
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/80103/8d36716800860a2310dc42f95bda4f3f?frame_id=821425

カリフォルニア州 大雨や大雪・強風が続く予想

アメリカ国立気象局によると、Atmospheric rivers「大気の川」による大量の水蒸気が流れ込みが、カリフォルニア州とネバダ州西部で、現地時間9日から10日にかけてピークになるとのことです。大雨や大雪、強風が予想されています。