子育て中こそ知っておきたい!国連で採択されて30年「子どもの権利条約」 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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子育て中こそ知っておきたい!国連で採択されて30年「子どもの権利条約」

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ポーランド・ワルシャワの街並み

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爽やかな秋晴れの日が多くなってきました。キャンプやハイキングに出掛けるにはぴったりの季節です。子育て中の方は家族でお出かけする機会も増えそうですね。子どもがぐずって出発時間に遅れそう、移動中の電車で泣きやまない、など、子連れでの外出は思い通りにならずイライラすることもあるかと思います。そんな時に、ちょっと視点を変えられたら…。「子どもの権利条約」を知ることは、大人の視点になりがちな行動や言動を変えるきっかけになりそうです。

なぜ「子どもの権利」を定めることが必要なの?

「子どもの権利条約(正式名称:児童の権利に関する条約)」は、18歳未満のすべての子どもの基本的人権を保障するために定められた国際条約。前文と本文54条から成り、子どもの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」といった4項目を柱に構成され、それぞれの権利を実現するために必要な事項を具体的に規定しています。1989年の第44回国連総会で採択され、日本は1994年に批准しました。
「子どもにも大人と同様、ひとりの人間としての基本的人権がある」という、一見当然と思えることを国際的な条例で定める必要があるのはなぜなのでしょうか。「子どもの権利条約」ができるまでの歴史的背景と、現在の私たちの生活に関係している子どもの権利について考えてみましょう。

コルチャック先生の実践の精神と、「子どもの権利」に込められた願い

日本ではコルチャック先生として知られるポーランドの小児科医、児童文学作家であるヤヌシュ・コルチャック (1878年7月22日 〜1942年8月)は、約100年前に相次ぐ戦争で多くの子どもたちが犠牲になった反省から、著作活動や具体的な実践において「子どもの権利」という概念の先駆者となりました。コルチャック先生の晩年は、ドイツ軍のポーランド侵攻により第二次世界大戦が勃発、ユダヤ人に対する迫害が激化した時代。ユダヤ人孤児院の院長だったコルチャック先生は、200名の子どもたちと共に強制収容所で最期を迎えました。
彼の命をかけた実践の精神は、1978年にポーランド政府により「子どもの権利条約」の草案が提出され、1989年に国連で採決、世界中で継承されていくことになるのです。子どもは弱者であり守られるべき存在であること、誰も奪うことができない自由と幸福を追求する権利を持っていること。「子どもの権利条約」には、コルチャック先生の願いが込められているのです。

知っておきたい!柱となる4つの子どもの権利

「子どもの権利条約」は、4つの子どもの権利を柱に構成されています。また、子どもに関することが行われる時は、「その子どもにとって最もよいこと」を第一に考えるという原則があります。成長にともなって変化していく子どもを見守り、「発達に合わせた人権を守る」という視点も大切にしています。

(1)生きる権利
防げる病気などで命をうばわれないこと。病気やけがをしたら治療を受けられることなど。
(2)育つ権利
教育を受け、休んだり遊んだりできること。考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができることなど。
(3)守られる権利
あらゆる種類の虐待や搾取などから守られること。障害のある子どもや少数民族の子どもなどはとくに守られることなど。
(4)参加する権利
自由に意見を表したり、集まってグループをつくったり、自由な活動をおこなったりできることなど。
※公益財団法人 日本ユニセフ協会ホームページより

「子どもの権利条約」の批准国は条約の実施状況に関する報告書を定期的に提出し、「国連子どもの権利委員会」から審査を受けることになっています。本年2019年に、日本への5回目の勧告が公表され、体罰や差別の禁止が緊急の課題として挙げられました。
日本では、子どもへの体罰はしつけの一環とする風潮があるといわれていますが、たたく、怒鳴るといった体罰や暴言は、子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼすことが指摘されており、現在は体罰は避けるべきこととして認識されているのではないでしょうか。
一方で、ついやってしまいがちなこんなことが、子どもの権利を脅かしているかもしれません。例えば、泣いている子ども。泣くことも子どもにとっては「意思を表明する権利」なのです。叱ったり泣きやませようとする前に、なぜ泣いているのかを考えて子どもの気持ちを受け止めてあげたいですね。
何気なく言ってしまいがちな「男の子なのに」「女の子なんだから」という言葉。性別を理由に叱ったり、区別したりするのではなく、その子らしさを尊重し「自分らしく育つ権利」を認めていきましょう。
このように、日常生活のなかには大人の思いや都合での言動や行動が数多くあることに気付かされます。子育て中は心にゆとりがなくなることも多く、子どもとの関係に悩まない親はいないといっても過言ではありません。そんな時こそ、「子どもの権利」を意識してみましょう。大人の側からの視点だけではなく、「子どもにとってはどうなのか」と考えると、思い込みや世間体から解放されて気持ちが楽になるかもしれません。「子どもの権利条約」の考え方を、子どもと向き合うヒントとして活用してみてはいかがでしょうか。


参考サイト
公益財団法人 日本ユニセフ協会
厚生労働省


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