毎日使う調味料ですが「ちょっといいものに変えてみたい」と思っても、購入する際にはたくさんの種類があってどれを選んで良いものか迷ってしまいます。素材の味を楽しめたり、体にとって優しい調味料ってどんなものなのでしょうか?調味料の製法についてや選ぶ際のヒント、調味料を活かして美味しくいただくレシピなどをご紹介します。

造り方を知れば、何を選んだらいいか分かっちゃう?

みりんは本来、もち米を麹でじっくりと発酵させたもの。酒類に属しています。ということは、酒類販売の免許がないと本来のみりんは売ることができず、また酒税がかけられています。ラベルには「本みりん」、「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料」と記載されているのが一般的。「本みりん」と記載されているものは先ほど書いたように本来の造り方で造られたみりんです。一方、「みりん風調味料」は砂糖をもとにして作られ、発酵はしていません。「みりんタイプ調味料」は本みりんと同じ様に醸造されていますが、食塩が加えられています。
みりんを『ちょっといいものに変えたい』という人にはやはり、調味料本来の味や丁寧に時間をかけて造られた「本みりん」をおすすめします。しかし、「本みりん」と表示されていても、醸造用アルコールや醸造用糖類で希釈されているものもあったりします。よく原材料名を見てくださいね。

みりんの魔法と使い方

「本みりん」を使うことで料理にどんな違いが出るのか、そして使い方も見てみましょう。
1 上品な甘さ
砂糖と比べて、多種類の糖類で構成されているので、やわらかくて上品な味に仕上がります。
2 深いコクと旨み
もち米から生まれる、お酒のような味わいが、料理にコクと旨みを加えます。
3 照り・つや
砂糖+しょうゆ+酒でも代用はできますが、本みりんのほうが美しく仕上がります。
4 消臭効果
熱が加わることでアルコールの蒸発時に臭みが消える物理的効果と、アルコールや糖類、有機酸などの反応で臭いの構造に変化を起こす化学的効果が期待できます。
5 煮崩れ防止
アルコールと糖類の作用で、肉や魚などは筋繊維の崩壊を防ぎ、野菜などにはでんぷん粒の流失を防ぐ効果があります。
6 味が早くしみこむ
発酵させた調味料なので分子が小さく、食材に早く浸透します。このおかげで長く調理する必要もないので、素材がふっくらとやわらかく仕上げることができます。
「本みりん」でこんなにも料理に違いがでるのは驚き。いくつかを合わせた調味料よりも均一に味が浸透したり、時短になるのもうれしいところですね。調理する際に気をつけておきたいのは、アルコール成分のこと。加熱をすればアルコール分は飛んでしまうので、常温や冷たい料理には煮切った「本みりん」を使ってくださいね。

おすすめのみりん

食前酒にもなってしまう!?<古式三河仕込 愛桜 純米本みりん>
大正十三年より三河(愛知県)みりんの名で親しまれてきた醸造元のみりん蔵で造られています。国産もち米、麹米、酒粕を原料とし、昔ながらの製法で造りあげた長期熟成天然醸造の手造りの逸品で1年ものと3年ものがあります。
杉浦味醂株式会社
所在地 愛知県碧南市弥生町4丁目9
TEL 0566-41-0919
※詳しくは公式ホームページをご覧ください
ご飯を炊くときにも使ってほしい<福来純「伝統製法」熟成本みりん>
国産のもち米、米麹、米焼酎の3つの原料のみで造られた本みりん。江戸時代には美濃で寝酒として甘党にも愛飲されてきたほど。伝統的な手法で90日仕込み、熟成に3年程度かけた旨みたっぷりの琥珀色のみりん。
白扇酒造株式会社
所在地 岐阜県加茂郡川辺町中川辺28番地
TEL 0120-873-976
※詳しくは公式ホームページをご覧ください

買ったら試したい、夏の「みりん」レシピ

揚げずに作れる【大学いも】
<材料>作りやすい分量
さつまいも 大きめ1本
油 大さじ3
本みりん 1/2カップ
<作り方>
1 さつまいもは適当な大きさの乱切りにします。
2 フライパンにクッキングシートを敷いて、油とサツマイモを入れ蓋をして中火にかける。
3 蓋が熱くなったら蓋を取って、しっかり火を通します。最後にみりんと絡め、アルコールが飛んでとろみがついたらできあがり。
※焦げ付かないように、たまに揺すって下さい。
夏にうれしい、王道を味わってほしい【めんつゆ】
<材料>作りやすい分量
☆煮干 12g(頭と内臓は取る)
☆干ししいたけ 1枚
☆昆布 5cm角2枚
水 2カップ
※本みりん 大さじ3
※酒 大さじ2
#鰹節 1カップ
#しょうゆ 1カップ
<作り方>
1 水に☆を入れて1時間~半日浸けたあと、火にかける。沸騰直前に昆布を取り出す。※を合わせ、煮切っておく。
2 沸騰したら、煮切った※と#を加え、アクを除きながら5分ほど煮る。
3 粗熱が取れたら漉してできあがり。
冷蔵で1週間ほど保存できます。