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難しすぎる!?フィギュアスケート採点方法の不思議

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緻密な採点は公平なジャッジのため

緻密な採点は公平なジャッジのため

エッジの使い方も点数に影響

エッジの使い方も点数に影響

選手の適応力が問われる

選手の適応力が問われる

日に日に寒さも厳しさを増し、いよいよ本格的な冬到来といった季節になってきました。
そんな寒い時季にこそ盛り上がりを見せるのがウインタースポーツです。特に今シーズンは五輪イヤーということもあり、様々な競技にメディアの注目が集まっています。ひときわ人気があるのが、フィギュアスケートです。その華やかな姿を見ると競技であることを忘れそうにもなりますが、実はかなり細かいルールのもとで行われているのです。これまでも数々の変更があったフィギュアスケートのルールに迫ります。

大舞台で起こった、悲劇の採点

日本人選手の活躍もあり、大人気のフィギュアスケート。ただ、素人目から見ると、そのルールはとても難解です。細かな点数の差は経験者でないとわからないほど微妙な差。テレビの前の視聴者としては、静かに採点が出るのを待つのみです。
それにしても、なぜ難しい採点方法なのでしょうか?
2002年シーズンまでは、各国から選出された審判9人がそれぞれ技術点、芸術点で6点満点を持ち、採点する方式でした。あくまで「その審判が何点をつけたか」……これに限られており、これはいわゆる「6.0ルール」と呼ばれるものでした。
そんな6.0ルールを変える転機となった、大きな事件は2002年ソルトレイク五輪に起きました。
ペアの種目で、優勝候補であるロシア代表がミスをしてしまい、後続のカナダ代表が完璧な演技を見せたのです。にもかかわらず、順位はロシアが優勝、カナダは2位という結果に……。しかし、このジャッジにはもの言いがつきました。
調査の結果、フランスの審判から「アイスダンスでフランスの選手を勝たせることを条件に、ロシア組を1位にしてほしい」と、フランスの連盟会長から口利きがあったという衝撃の発言が飛び出したのです。この騒動を受けて、国際スケート連盟(ISU)は、フランスの審判と連盟会長に国際試合の出入り禁止を下すことに……。さらに、ロシア組と並んでカナダ組も金メダルとしたのです。

クリーンな採点のため、ルールの大変更

この騒動をきっかけに、フィギュアスケートの採点方法は大変更を余儀なくされました。
つまり、審判の主観で点数を決めるのではなく、スケートの技術ひとつひとつに点数をつけていくという緻密な方法に変化していったのです。採点の柱は「技術点」「演技構成点」のふたつ。
●「技術点」は「ジャンプ」「スピン」「ステップシークエンス」の3要素に対してつけられる点数のこと。さらに技術点は「基礎点」「GOE」という基準で構成されます。
■基礎点…実施した要素につけられる基本の点数
(例:トリプルアクセル=8.5点 など)
■GOE(Grade of Execution)…実施したそれぞれの要素に対する出来栄え
(例:4回転ジャンプの着氷が乱れない=+3.0点 など)
●「演技構成点」は5つの項目を10点満点で採点します。
■スケーティング技術…エッジの使い方、スピードなど
■要素のつなぎ…要素と要素の間の動作の難易度
■動作/身のこなし…演技力に値するもの
■振付/構成…オリジナリティ、独創性
■音楽の解釈…音楽のリズムやハーモニーを表現できているか
「技術点+演技構成点-減点」=得点となるという、何とも緻密で複雑な採点方法が誕生したというわけです。

頻繁に改訂される採点方法

ルールの大改訂が行われた後も、フィギュアスケートの採点方法は頻繁に改訂が行われているのですが、これは検証を行いながら、より適切な採点方法を模索しているといったことによるもの。
ただ選手側から見れば、細かな改訂であったとしても、適応していくことは大変なこと。いかに柔軟に対応できるかどうかも、トップ選手としての宿命といえます。
── 公平なジャッジをするために生まれた複雑な採点方法。
いちスケートファンとしては、純粋に演技の素晴らしさを楽しむのがよいかもしれませんね。


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