何もかもが新しさに満ちて爽やかな季節です。とにかく何か始めてみたくなりますよね。
そんな折、ママ友から誘われた『朗読ダイエット』講座。なんと本を読むだけでヤセるという噂です。
冬の間にぬくぬくとオーバーしたカロリーを、春からの読書で落としてきます!

声を出して本を読むことでさまざまな効果が!
声を出して本を読むことでさまざまな効果が!

お腹の底から声を出す

提唱者は、ドリアン助川 さん。『叫ぶ詩人の会』『金髪先生』などでご存知のかたも多いのでは。3年間のニューヨーク生活から帰国して自分のCDを聴いたところあまりに歌が下手だと感じてしまい、ボイストレーナーについて基礎から学び直したのがきっかけだそうです。呼吸法、発声と続けていくうち、アメリカの高カロリー食生活でたるんだお腹がみるみる締まり胸は厚くなり、深酒してるのに肝機能バツグンの超健康体にうまれかわってしまったのでした!
講座ではこのトレーニングを基礎に、お腹の底から声を出す方法を学びます。日本人女性が電話の第一声で「もしもし〜」と言うときの高めの声は首から上しか使っていませんが、「なにそれどういうこと!」というときのドス声はお腹を使っています。よく通る声だと、押し出しも強くなるわけですね。

呼吸をかぞえて自分と向き合う

本を読む前にウォーミングアップを行います。必ずする呼吸法は2つ。足を肩幅に開いて真っ直ぐに立ち、まずは腹式呼吸。自分の体の中に、エッフェル塔のかたちをした管楽器が入っているイメージで、2秒で息を(吸い)底に落とし、8秒で吐き切る。これを30回! 次にドッグブレス(犬がハッハッとする呼吸ですね)。これを3分間! やってみると、ひとつひとつの動作はとても簡単なのですが、その動作を繰り返すのがけっこうツライ……クラクラします。けれども、心の中で呼吸を数えながら自分と向き合う時間はとても貴重。このウォーミングアップだけでも、続けるとかなりの効果が期待できるそうですよ!

意外な効果も!

いよいよ朗読です。好きなものを読めばいいのですが、最初は詩など短編がオススメ。「無意識に出す普段の声より半オクターブ下げた音で朗読してくださいね」。ドス声ってことですね。講座では、歌舞伎でおなじみ『外郎売り』を読みました。聞き慣れない単語、複雑な言い回し、早口言葉……発音しようとして脳みそがフル回転! 自分の読む声が、耳からだけでなく身体の内側から響いて、しみ込んできます。
「 声を出すことで脳にたたきこまれるので、じつは語学の学習にもってこいなのです。私はじっさいこの方法でフランス語を一からマスターしました。」外国語や古文などを親子で朗読するのもいいかもしれませんね。
さらにこんな効用も。「お腹から声を出すことで、体も脳も活性化し若返りの効果があります。こどものための絵本よみきかせも、じつはこどもより読んでいる大人のほうがボケ防止の恩恵を受けてるなと思うほどです。」引き締まったボディと押し出しのいい声、若く活性化した脳。「お腹から大きな声が出せると自信がつき、人生変わります」
副作用もリバウンドもない健康ダイエット。毎日30分朗読するとよいそうです。
語学を始めたいなら外国語の本を、料理を始めたいなら料理の本をと、ジャンルはなんでも構いません。
今日から声を出して読んでみましょうか。

参考・ドリアン助川『朗読ダイエット』(左右社)