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第53回 ♪くる~くる~きっとくる~“腰痛君”がやって来た!

文・谷川賢作

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パーカッショニストの安井希久子さんに薦められて買った、骨盤保護クッション「バックジョイ」これは良いです! (撮影/谷川賢作)

パーカッショニストの安井希久子さんに薦められて買った、骨盤保護クッション「バックジョイ」これは良いです! (撮影/谷川賢作)

腰が痛いなんて言うてる場合ではありませぬ ♪オブラディ オブラダ ライフ ゴーズ オン (撮影/深堀瑞穂 フライヤー制作/yamasin(g) )

腰が痛いなんて言うてる場合ではありませぬ ♪オブラディ オブラダ ライフ ゴーズ オン (撮影/深堀瑞穂 フライヤー制作/yamasin(g) )

撮影/深堀瑞穂 フライヤー制作/yamasin(g)

撮影/深堀瑞穂 フライヤー制作/yamasin(g)

 って、もちろんぜんぜんうれしくないっす。もう毎時毎秒どの姿勢が「ギクッ」「ジガッ」「スベロバ」「グニュルガン」っという鋭い痛みがくるのかわからないので、座る、立つにはじまり、一番ひどい時には、頷き、瞬き、虫刺され掻き掻き等、些細な動作ふくむ、自分のすべての動作に慎重に慎重を重ねながら実行に移す人生に速やかになってしまうのです。はい。はっきり言って人が変わります。謙虚になればいいのですが、そうではなく、真夜中の相生橋のたもとをヒタヒタと行く、篠突く雨に濡れそぼったトホホな老犬になってしまうのです。はい。今も「ズビズバ」痛いのでもう今回、なに書いているのかよくわからなくなってきました。茫然自失。

 経験者(「定期反復者」という日本語はあるのかな。そちらのほうが正確)の方なら十二分に共感して頂けると思いますが、いやあ“腰痛君”って油断するとニンマリ笑ってさりげなく隣に立ってるからなあ。隙突くの上手なんだ“腰痛君”てば。あはは(笑ってる場合か!)

 それでは、ふだんの生活で油断だらけの私の、さらに輪をかけた油断をお話しましょう。イテテのて。ワープロ打っててもいてっすってば。

 事の発端は某高速SAの「激辛カレー」。束の間の夏休みに胸ときめかせ高速をひた走る私に、まさか“腰痛君”が罠をしかけてくるであろうとは、つゆにも思わない。「パリャーソ」(ほめちぎ第45回参照)で最近流行の「ノンアル、カレー打ち上げ」(無駄なアルコール摂取をやめて、ライブ後に本格カレーを食し身体を活性化させ翌日の演奏に備える)での話の種にと、その一皿思わずいってしまったのですが、これがもう、とんでもはっぷん歩いて10分(古い)。ただ単に、レギュラーカレーの上にタバスコを闇雲に振りかけ、唐辛子の油炒めをドサッと置いただけではないかという「食物としての辛さのグラデーションの探求」などどこ吹く風。「打てるものなら打ってみろ!」で、お代980円の入魂の一品。“腰痛君”が臨時で雇った“もったいないお化け君”も耳元で囁いているし、よせばいいのに打つ(完食する)私。

 翌朝。お決まりの腹壊し。皆様に失礼なので“ご不浄”での詳細を記すのはやめますが、まずはペーパーで某部分を拭う時の動作&姿勢に“腰痛君”襲いかかったあ! でもほんとその時「一本!」でなくてよかった、「有効」でした(その前に激辛完食の私に「指導」出てます)。

 で、「あっ今“腰痛君”との試合始まってしまったんだ」と遅まきながら自覚する私に、彼は容赦ない。

 次の決まり技が、雨の坂道でサンダル履きのすっころぶ私。しかも手に持っていたi-phoneを無意識に守ろうと変な姿勢で倒れるドアホ。「技あり」きました。もうこの時すでに「参った」してる私ですが、なぜかどこにも審判がいません。きっと“腰痛君”が袖の下を握らせてどこかに行かせてしまったのでしょう。

 そしてよせばいいのに、痛みの軽減と称して、ビールやワインを飲酒するという“腰痛君”にとっては思うつぼなダメ技を仕掛けてしまう愚かな私。皆様、くれぐれも真似してはいけません。“油断”の上塗りは絶対NG。

 這々の体で、我が家のほぼ全員がピンチの時お世話になっている、地元の鍼灸院さんに駆け込む(しかも夏休みなのに無理言ってあけていただく。。。)私。時すでに遅しなのですが、それでもお灸をすえてもらい(文字通り。カラダと懲りない私の精神に)置きバリをして頂き、ようやく“腰痛君”に一矢報いるといった現在(この稿、執筆時)です。イタタノタ。

 こんないつものように面白おかしく書いておりますが、皆様どうか私を反面教師としてどうかご自愛ください。“腰痛君”に一番効く技は“静養”です。くれぐれも調子にのるのはやめましょう。次号での復活、祈ってください。アディオス~~ [次回9/5(月)更新予定]


(更新 2016.8.22 )


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プロフィール

谷川賢作

谷川 賢作(たにかわ・けんさく)作/編曲家 ピアニスト

1960年東京生まれ。ジャズピアノを佐藤允彦に師事。演奏家として、現代詩をうたうバンド「DiVa」、ハーモニカ奏者続木力とのユニット「パリャーソ」に所属。また父である詩人の谷川俊太郎と、朗読と音楽のコンサートを全国各地で開催。80年代半ばより作・編曲の仕事をはじめ、映画「四十七人の刺客」「竜馬の妻とその夫と愛人」、NHK「その時歴史が動いた」テーマ曲等を手がける。88、95、97年に日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。2014年度船橋市文化芸術ホール芸術アドバイザー。音楽を担当した最新映画は「カミハテ商店」「SAYAMAみえない手錠をはずすまで」。最新刊『げんきにでてこい』(カワイ出版)、最新CD『うたがうまれる』 谷川賢作オフィシャルサイトhttp://tanikawakensaku.com/