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「源氏物語」に関する記事一覧

紫式部が活躍した道長の最盛期 藤原家の時代の到来を支えた「姉」の活躍
紫式部が活躍した道長の最盛期 藤原家の時代の到来を支えた「姉」の活躍 道長の姉である詮子は十七歳で円融天皇に入内、女御となり懐仁親王(一条天皇)を生み、「三道」(道隆・道家・道長)時代の到来に力を与えた女性だった。彼女は、道長の第二夫人明子を結びつける媒介役にもなり、何より、関白(内覧)の行方をめぐり、一条天皇が、伊周か道長かの選択を迫られたおり、道長の内覧就任の道筋を作った立役者だ。道長にとっては、最大の恩人といえる。歴史学者・関幸彦氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、道長を支えた姉詮子を一条朝の流れとともに紹介する。
娘3人は天皇の后に 「引退」した直後に異国船襲来 勝ち抜けた藤原道長に残った「不安」
娘3人は天皇の后に 「引退」した直後に異国船襲来 勝ち抜けた藤原道長に残った「不安」 康保三年(九六六)、藤原道長は兼家の五男として誕生した。十五歳で「従五位下」、二十二歳で左大臣源雅信の娘倫子と結婚、翌年には源高明の娘明子を第二夫人として迎えた。倫子との間に二男四女、明子との間には四男二女を設け、そのうち彰子はのちに一条天皇、妍子は三条天皇、そして威子は後一条天皇の后となった。関白の地位で全盛を迎えつつあった長兄道隆と次兄道兼が疫病にて没し、「内覧」(関白に準じる職掌で、天皇に奏上する文書に前もって目を通す地位)の宣旨が出されたのが、道長が三十代に差し掛かった頃だ。順調な一方で、中関白家との確執もあり、人間関係に悩む日々が続いていた。関幸彦氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)では、政治家としての最盛期を迎えた藤原道長の二十五年間が描かれている。同著から一部を抜粋、再編集し、紹介する。
道長は年上女子の“お眼鏡にかなった”好男子 女性たちのサポートで押し上げられた「運命」
道長は年上女子の“お眼鏡にかなった”好男子 女性たちのサポートで押し上げられた「運命」 永延元年(九八七)、藤原道長は二十二歳で宇多天皇の孫にあたる源雅信の娘倫子と結婚をしたが、この婚姻の成立には倫子の母の強い後押しがあった。またその翌年には、源高明の娘明子を第二夫人として迎え入れる。この仲立ちを積極的になしたのは道長の姉詮子だった。姉詮子は道長の関白(内覧)就任にも大きく関わっている。関幸彦の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、年上女性に応援される道長の人間性を紹介する。
天皇が挑発した「女性が鬼に食われた」場所での肝試し 「いとさりげなく」こなした藤原道長の豪胆
天皇が挑発した「女性が鬼に食われた」場所での肝試し 「いとさりげなく」こなした藤原道長の豪胆 寛和元年(九八五)五月下旬の闇夜、花山天皇の遊び心から、闇夜の肝試しをすることになった道隆・道兼・道長の三兄弟(「三道」)は、それぞれの指定の場所へ向かう。当時は、物怪や鬼神は日常のものであり、兄2人が恐れをなすなか、道長は堂々と柱まで削って戻って来た。関幸彦氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)では、『大鏡』〈道長伝〉の中で描かれた藤原道長の豪胆さを表すエピソードを紹介している。一部を抜粋、再編集し、紹介する。
藤原道長を支える、職業人として成長した紫式部 二人の間にあった女性たちの「悲しみ」
藤原道長を支える、職業人として成長した紫式部 二人の間にあった女性たちの「悲しみ」 『紫式部日記』は紫式部の女房としての成長の記録という側面がある。初めのころは、道長におびえるようすもあるが、後半になると道長に部下として信頼され、また紫式部も道長にトップとして仕える喜びも描かれている。この二人の関係は実際のところどうだったのか、平安文学と紫式部に詳しい京都先端科学大学の山本淳子教授の新著『道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか』から抜粋・再編集して探ってみる。
貴族政治の頂点に立った道長の対人スキルと、優雅さだけではない時代の風の“つかみ方”
貴族政治の頂点に立った道長の対人スキルと、優雅さだけではない時代の風の“つかみ方” 生きていく上で、人間関係のストレスは避けては通れないもの。それは当然ながら、藤原道長や紫式部が生きた時代にも共通していた。日本史上最も長い平安時代は、平安京にイメージ化される時期と、それから脱皮して京都と呼称される段階とに区別できる。十世紀以降の後者の“王朝時代”について、人物を介して時代を見直すアプローチを行ったのが歴史学者の関幸彦氏だ。関氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、紹介する。

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貴族の必須アイテムは「和歌」と「管弦」 道長と紫式部が生きた時代に起きた激動とは
貴族の必須アイテムは「和歌」と「管弦」 道長と紫式部が生きた時代に起きた激動とは 藤原道長や紫式部の時代は、東アジア世界の転換期にあたっており、その影響は日本にももたらされた。歴史学者の関幸彦氏は、古代律令システムが中国(唐)を“お手本”としたのと比べると、『源氏物語』を誕生させた王朝時代は、“お手本”が希薄になっていった段階だと説く。「真名」(漢字)から「仮名」(平仮名・片仮名)への転換、天皇号の漢風表現からの脱却は、大陸的文明思考からの離脱を意味するものだった。関氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、紹介する。
紫式部と藤原道長に「禁断の恋」はあったのか 晩年の『紫式部集』で明かされた「真実」
紫式部と藤原道長に「禁断の恋」はあったのか 晩年の『紫式部集』で明かされた「真実」 紫式部と彼女の時代の最も影響力のある男性、藤原道長との間に秘められた恋愛はあったのか。『紫式部日記』と彼女が晩年に編集した『紫式部集』の間で描かれる二人の関係性の違いを通じて、紫式部が道長に対して抱いていた感情の複雑さを垣間見ることができる。紫式部と道長、この二人の間には一体何があったのか、平安文学と紫式部に詳しい京都先端科学大学の山本淳子教授の新著『道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか』(朝日新聞出版)から抜粋・再編集して解説する。
【大河ドラマ「光る君へ」スタート】平安貴族は3時起床で7時出勤 日記で愚痴るほど過酷だった働き方
【大河ドラマ「光る君へ」スタート】平安貴族は3時起床で7時出勤 日記で愚痴るほど過酷だった働き方 2024年の大河ドラマは、吉高由里子演じる紫式部が主人公の「光る君へ」。紫式部と藤原道長の関係を軸に、1000年の時を超えて読み継がれるベストセラーとなった『源氏物語』はいかにして生み出されたのかを描く。
優雅で、女性にはマメで…光源氏は貴族の「あるべき姿」 虚構の『源氏物語』が伝える真実
優雅で、女性にはマメで…光源氏は貴族の「あるべき姿」 虚構の『源氏物語』が伝える真実 五十四巻にわたる長編の大河小説『源氏物語』は、平安時代の大ベストセラーである。さらに後世にも絶大なる影響を与え続け、紫式部は男女の秘事を広めたため成仏できなかったという伝承まで広まった。『源氏供養』は式部の霊を供養することに力点がおかれた異色の作品である。歴史学者・関幸彦氏は、小説とはいえ、『源氏物語』がある種の実在性を以て、王朝貴族たちに迎えられていたことは間違いないと指摘する。関氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、紹介する。
紫式部の部屋を訪れたのは藤原道長? 『紫式部日記』に描かれた「やり取り」とは
紫式部の部屋を訪れたのは藤原道長? 『紫式部日記』に描かれた「やり取り」とは 『源氏物語』の作者として知られる紫式部は、当時の権力者である藤原道長と恋仲にあったという噂が根強くある。その根拠となるのは、彼女が残した実録『紫式部日記』に記された、ある夜の出来事だ。この日記には、道長への想いがほのめかされる他の箇所もある。ここでは、『紫式部日記』から、彼女と道長の関係を平安文学と紫式部に詳しい京都先端科学大学の山本淳子教授の新著『道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか――』から抜粋・再編集して探ってみる。
紫式部が地獄に堕ちた?異色の能の内容とは 貴族の心をつかんだ『源氏物語』
紫式部が地獄に堕ちた?異色の能の内容とは 貴族の心をつかんだ『源氏物語』 平安時代四百年。日本史上、これほど長い時代は他にはない。歴史学者・関幸彦氏は、この長期にわたる時代を、平安京にイメージ化される時期と、それから脱皮して京都と呼称される段階とに区別した。十世紀以降である後者の“王朝時代”について再考していく。藤原道長と紫式部に象徴されるこの時代は、優雅さや弱々しさとは異なる面も持ち合わせていた。まずは能の舞台ともなった『源氏供養』を元に、『源氏物語』の意味を関氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、解説する。

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    【大河ドラマ「光る君へ」スタート】平安貴族は魚も肉もかき氷も食べていた 彼らが悩んだ生活習慣病とは
    【大河ドラマ「光る君へ」スタート】平安貴族は魚も肉もかき氷も食べていた 彼らが悩んだ生活習慣病とは 2024年の大河ドラマは、吉高由里子演じる紫式部が主人公の「光る君へ」。紫式部と藤原道長の関係を軸に、1000年の時を超えて読み継がれるベストセラーとなった『源氏物語』はいかにして生み出されたのかを描く。
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