12月号宗教学者・上智大学グリーフケア研究所所長 島薗 進Shimazono Susumu身につまされる「老い」の事例 精神科医がみた老いの不安・抑うつと成熟 (朝日選書) 竹中 星郎 最初の読者から 12/2
11月号書評家 吉田伸子 Yoshida Nobuko臆することなく自分の道を進んだ幕末の女商人・大浦慶を描く 知らなかった。幕末にこんな女丈夫がいたことを。その名は、大浦慶(おおうらけい)。楠本(くすもと)イネ、道永栄(みちながえい)とともに、“長崎三大女傑”に連なる一人である。本書はその、大浦慶の生涯を描いた物語である。 最初の読者から 11/1
11月号文芸評論家 末國善己 Suekuni Yoshimi斬新な楠木正成が伝える現代へのメッセージ 2017年12月23日に葉室麟さんが急逝されて、早くも二年近くになった。亡くなった後も、『玄鳥さりて』『雨と詩人と落花と』『青嵐の坂』などが続々と刊行されたのは、ハイペースで高いクオリティの作品を発表されていた葉室さんらしいといえる。だが残念なことに、葉室さんの新作小説が読めるのは、楠木正成を軸に南北朝の騒乱を描くも未完に終わった『星と龍』が最後となる。 最初の読者から 11/1
10月号文芸評論家 末國善己 Suekuni Yoshimi合戦ではなく外交に着目した新境地 赤神諒は、2017年、九州の戦国大名・大友家のお家騒動を題材にした『大友二階崩れ』で第九回日経小説大賞を受賞してデビューした。それからの活躍はすさまじく、大友家の歴史をたどる“大友サーガ”を四作、応仁の乱期の忍者の戦いを描く『神遊の城』、越前の朝倉家を最後まで支えた知られざる名将・山崎吉家を主人公にした『酔象の流儀 朝倉盛衰記』などを立て続けに発表している。戦国の合戦ではなく外交戦に着目した新作『計策師』は、歴史小説の新たな旗手となった著者の新境地を開いたといえる。 最初の読者から 10/1
あの日を忘れない どんな人にも「忘れられない1日」がある。それはどんな著名な芸能人でも変わらない。人との出会い、別れ、挫折、後悔、歓喜…AERA dot.だけに語ってくれた珠玉のエピソード。 インタビュー
高たんぱくダイエット 会食の機会も増え、体重の増加が気になる季節。帳尻を合わせるために、極端なダイエットに走る必要はもうありません。 調理時間10分以内、安くておいしいお鍋なら、かんたんに体重オフ、健康パワーもアップできます。 気になるノウハウに加え、一生使えるAERAオリジナルレシピまでを網羅しました。 高たんぱくダイエット
8月号教育ジャーナリスト 朝比奈なをAsahina Naoさまざまな困難が集中する「教育困難校」 昨年秋、あるテレビドラマが放送された。1980年代に連載が始まった漫画が原作で、主人公は学力の高くない高校、いわゆる「底辺校」に通う男子高校生2人である。彼らを始め登場する高校生たちは男女ともに、当時、全盛期だった「ツッパリ」や「ヤンキー」と称されていた高校生特有の髪形や制服の着方をしている。そして友情や恋愛のために、あるいはライバル校生徒との抗争に不器用かつエネルギッシュに行動する。 著者から 8/1
8月号数学研究家 冨島佑允Tomishima Yusuke私たちは数学とともに生きている 紀元前6世紀頃、ピタゴラスは古代オリエント世界のあちこちを旅して、各地で独自に発展していた数学の知識を学んで回りました。そして、この世界は数学の法則で動いているのだという悟りに達します。彼は、その悟りを教義として人々に伝えるため、宗教団体「ピタゴラス教団」を設立しました。 著者から 8/1
8月号現代アラブ文学研究者 岡 真理Oka Mariヨーロッパ側からではなく、難民となる人間の側からその経験を描く。 2015年夏、すし詰めのゴムボートで、命懸けで地中海を渡る難民たちの姿が連日、大きく報道された。大陸の端に辿り着いた彼らが目指したのはドイツだった。この年、ドイツには100万を超える難民がやって来た。四割がシリア難民だ。本書の著者、ユスラ・マルディニもあの夏、ドイツを目指した何十万というシリア難民の一人だった。 最初の読者から 8/1