誰もがスマートフォンを持ち、日々の生活や思いを気軽に投稿できる時代。元アナウンサーで、現在朝の情報番組でキャスターを務める著者が、個人による情報発信のコツをまとめた。

 炎上を恐れて、SNS活用に踏み出せないという人もいるだろう。本書がすすめる情報伝達の基本的なスタンスは「主語を小さくする」こと。たとえば「被災地は今も苦しんでいる」という表現。「被災地」の指す範囲がはっきりしないため、余計な誤解や対立を招きかねない。「福島県の浜通りで中華料理店を営んでいたAさん」のように主語をはっきりさせると、受け取る相手も具体的な行動を起こしやすくなる。

 動画の撮影・編集方法、インタビューのコツなど、アドバイスはどれも具体的なものばかり。市民目線が貫かれている。

週刊朝日  2018年6月8日号