書評『おカネの教室』高井浩章著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《ベストセラー解読 (週刊朝日)》

おカネの教室 高井浩章著

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永江 朗書評#ベストセラー解読

おカネの教室

高井浩章著

978-4295003380
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経済を物語で学ぶ

 シェアハウスや中古マンションへの投資が問題になっている。多額の借金をして投資したものの、収益が上がらず返済に窮する人が続出しているのだ。シェアハウスを運営していた不動産会社は経営破綻した。不動産会社と銀行員がグルになって融資資料を改竄していたのではないかという疑いも出ている。

 甘い話には気をつけよう。いや、気をつけるだけではだめだ。おカネについてもっと勉強しなければ……というか、ちゃんと習ったことがあったっけ?

 高井浩章『おカネの教室』は物語仕立てでおカネについて学ぶ本。あるいはおカネを題材にした青春小説。

 中学2年生の隼人がくじ引きで落ちて入ったのは「そろばんクラブ」ならぬ「そろばん勘定クラブ」。そこはおカネについて考えるクラブだった。おカネを手に入れる六つの方法を考えるところから、おカネについて学んでいく。

 六つの方法とは「かせぐ」「ぬすむ」「もらう」「かりる」「ふやす」「つくる」。リーマンショックはなぜ起きたのか、売春婦(夫)は世の中の役に立っているか、軍人はどうか。中学2年生にはいささか難しそうな問いが、次々と投げかけられていく。低金利の理由やピケティの「r>g」なども含めて。最後は銀行による信用創造についてでしめくくられる。

 著者は経済担当の新聞記者だという。もともとは小学生の娘たちのために書いた家庭内の回覧読み物。それを電子書籍の個人出版(セルフパブリッシング)で出し、全面的に改稿して本書となった。おカネに振り回されないためには、まず勉強からだ。

週刊朝日  2018年6月1日号


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