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消えゆく沖縄 移住生活20年の光と影
話題の新刊
2017/02/02 16:10
著者は沖縄出身の両親を持ち、大阪で生まれ育った。2000年代初頭の沖縄ブームの火付け役と呼ばれたが、移住20年を迎えた今、「沖縄を離れたい」と言って憚らない。
観光立県を掲げながら本土以上に再開発を進め、山を切り崩し、海を埋める。ショッピングモールが乱立し、伝統文化や土着の信仰は形骸化した。本土を敵視しながらも、依存し、「沖縄らしさ」を自ら壊していく現実に、著者はもどかしさを隠さない。
沖縄は表層で語ると叱られ、深入りすると火傷する特殊な場所という。沖縄に戦後70
年の矛盾が詰まっている事実は重いが、本土からの差別や基地への視線は変わらない。
ある土地の価値は外部の視点からもたらされる。沖縄の変貌に対する理解も必要だろう。絶望からは何も始まらないのだから。
※週刊朝日 2017年2月10日号
消えゆく沖縄 移住生活20年の光と影
仲村清司著


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