副題は「20代からの『就・妊・婚』講座」。「結婚・出産は働き方とリンクする」という認識のもと「婚活」という言葉の提唱者である白河桃子と、就職活動関連の著作で知られる常見陽平のコンビが主に20代女子に向け、人生における仕事・結婚・妊娠を講義形式でまとめたものだ。
 ハウツー本にも見えるが、狙うところはその対極にある。キーワードは「脱憧れ」。先が不透明な現代、女子の専業主婦・一般職願望が急増する状況を著者らは喝破する。代わりに推奨するのが自分の食いぶちを自分で稼ぐ「自活女子」の道だ。人生を切り開き、仕事と結婚・出産の両立というジレンマにも立ち向かうべく、女子学生をめぐる就活の構造と結婚・妊娠の基礎知識を徹底解説。「三大活動」の現状を俯瞰し、かつ具体的に考えるための情報材料が詰められている。
 とかく目先の内定に目が向きがちな就職活動。しかし出産のタイムリミットなど「その先」も視野に入れることで、現在を見る目はより深まるだろう。特に就活前/中の女子学生には一読の価値がある。

週刊朝日 2012年12月14日号