佐村河内氏、ベートーヴェンと会話? 掲載見送った記事 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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佐村河内氏、ベートーヴェンと会話? 掲載見送った記事

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自宅にある作曲部屋「音楽室」で、作曲をするときのポーズを取る佐村河内氏。座禅のように床に座り、ひたすら曲のイメージに集中する。降りてきた音はすべて記憶し、その後、一気に記譜するとメロディーが完成するという(撮影/安部俊太郎)

自宅にある作曲部屋「音楽室」で、作曲をするときのポーズを取る佐村河内氏。座禅のように床に座り、ひたすら曲のイメージに集中する。降りてきた音はすべて記憶し、その後、一気に記譜するとメロディーが完成するという(撮影/安部俊太郎)

 それまで威厳のある語り口であったが、このときだけは薄ら笑いを浮かべるように話したことが、印象深く、鮮明な記憶として残っている。

 こんな逸話も披露してくれた。

 2001年頃のことだ。オーストリアのウィーンにあるベートーヴェンの墓に参ったという。墓前で彼はこう言った。

「ベートーヴェン先生、僕は障害も職業も、先生と一緒です」

 すると、天空からベートーヴェンの声が降りてきた。

「違う。俺とお前は違う」
「何が違うんですか」
「作品のレベルと格が違う。障害と職業が一緒であろうが、俺とお前は違う。出直してこい」

 ショックを受け愕然とし、けれどこれがバネとなり交響曲第1番を書き上げたという。事実は小説より奇なり、だ。もし偽りがないのなら、私たちにはわからない高い次元での話ということになる。

 取材後、多角的な記事にしようと複数の関係者に当たってみると、思わぬ展開が待っていた。

「佐村河内氏の話のどこまでが本当なのか、甚だ疑問だ」
「クラシックでは時折、過去の作品をモチーフに作曲することがあるが、彼の作品はバッハやベートーヴェン、マーラーなどの影響が色濃く、オリジナリティーに疑問がある」
「お金にうるさい」
「本当は全聾ではなく、聞こえているのかもしれない」

 こうした指摘を受け、本誌は記事の掲載を見送った。

※AERA 2014年2月17日号より抜粋


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