銅メダリストの2人も忘れてはならない。

 京都大出身の山西利和さんは、陸上男子20km競歩で銅メダルを獲得した。京都大出身で夏季オリンピックに出場したのは、山西さんで9人目となる。16年リオデジャネイロ大会では女子ラグビーの竹内亜弥さんが、京都大出身者としては48年ぶりにオリンピック代表に選ばれている。

 京都大でメダリストとなれば、1936年ベルリン大会の田島直人さん、原田正夫さんまでさかのぼる。田島さんは陸上男子三段跳びで金、走り幅跳びで銅、原田さんは三段跳びで銀をとった。

 平成国際大出身の安藤美希子さんは重量挙げ女子59kg級で銅をとった。同大学は重量挙げ女子において、2000年シドニー大会に二柳かおりさん、16年リオデジャネイロ大会には安藤美希子さんを代表として送り出している。そして、今回、平成国際大に初のメダリストが誕生した。

 8月24日、安藤さんは出身の千葉県白井市の市役所を訪問し、こう挨拶した。

「白井市の皆さんの応援のおかげで、メダルを取ることができました。応援ありがとうございました。地元を歩いていることもあると思うので、見かけたら声をかけてください」(白井市ウェブサイト)

 安藤さんは埼玉栄高校出身。大学の先輩の二柳さんも同校に通っていた。重量挙げ女子では、埼玉栄高校→平成国際大というコースができている。

 世界一になった、世界一を争ったアスリートたちが高校、大学で同じ教室、キャンパスで学ぶ。先輩、後輩、同級生にとってはロイヤリティー(帰属意識)や愛校心が高まる。大学にとってメダリスト、オリンピック代表たちは貴重な人材だ。新学期、高校、大学の校舎には、卒業生○○さん、オリンピックメダル獲得、入賞という垂れ幕が掲げられるだろう。単に広告塔としてではなく、世界トップクラスのアスリートが高校生、大学生に自らの体験を語る機会を多く作ってほしい。後輩あるいは先輩や同級生も、この高校、大学に通ってよかったと思えるように。(教育ジャーナリスト・小林哲夫