「最後は着地の勝負になると思っていた。いつも通りの力を出すために準備してきた。この大会の経験は今後の体操人生にとって大きいものになる」(朝日新聞デジタル2021年8月3日)

 橋本さんのメダル3個に加えて、大学院スポーツ健康科学研究科博士後期課程1年の萱和磨さんが団体総合で銀、種目別あん馬で銅、同大学を2019年に卒業してセントラルスポーツ所属の谷川航さんが団体総合で銀を獲得した。

 橋本さん、谷川さんは市立船橋高校、通称・市船(イチフナ)の出身。メダル獲得選手の出身高校ランキングで、市船はトップになった。体操で市立船橋高校→順天堂大というコースが、メダル4個をもたらしたのだ。市船はスポーツに力を入れている体育科があり、サッカー、野球、バスケットボールなどは全国大会出場実績がある。なかでもサッカーは全国高校選手権大会で5回優勝している。

●2位=日本大、6個
 柔道で3人のメダリストが生まれ、4個のメダルを獲得した。向翔一郎さんと原沢久喜さんは混合団体で銀、素根輝さんは女子78kg超級で金、混合団体で銀だった。素根さんは昨年まで環太平洋大に在学していたが、今年、日本大に入り直した。

 フェンシング男子エペ団体の金メダリスト、山田優さんは三重県立鳥羽高校出身で、インターハイ2連覇を達成している。2015年、日本大文理学部の学生時代、母校愛たっぷりの話をしている。

「日本大学フェンシング部の魅力は、多くのトップ選手を輩出していること。しかし、ただ勝つだけではなく、心技体を磨き人間的にも魅力ある選手であれという心の部分を大切にしていることです。そのモットーに恥じないよう、でも気負わず楽しみながらプレーしたいと思います」(日本大ウェブサイト)

●4位=明治大、4個
 卓球で3個のメダルを獲得した。水谷隼さんが混合ダブルスで金、男子団体で銅、丹羽孝希さんは男子団体で銅である。

 8月25日、水谷さん、丹羽さんは明治大駿河台キャンパスを訪れ、大六野耕作学長、柳谷孝理事長に五輪での戦いについて報告した。丹羽さんは愛校心たっぷりにこう話している。

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卓球は青森山田高校→明治大のコース